第58回
2015年12月30日更新
こんにちは。プロボウラーの
逸見正晃です。師走の忙しさを言い訳に、寄稿が遅れてしまい申し訳ありませんでした。今回ご紹介のボールは大人気ボールの復刻リリースということで当時からのファンは勿論、買い逃してしまっていたボウラーにとっても朗報でしょう。
ブランズウィック「Cシステム・バルサマックス・ツアー」はあえて当時のカバーストック・コアデザインをそのまま用いることで「傑作」を再リリースすることができました。
プロスタッフにも愛用者の多い万能ボールを今一度、入手できるチャンスですので是非、ご検討ください。それでは、第57回
ストライクレビュー「Cシステム・バルサマックス・ツアー」編をどうぞ!
65°
×
4
×
50°・薬指穴内にピンを配置
なし
博多スターレーン(ウッドレーン)
42フィートのクラウンコンディション
30.6
ml
カストディアンプラス
42°
2009年秋、当時の
ブランズウィックラインの主柱の一つとなるべく「Cシステム」は開発されました。カバーストックに使用されているCFT(ケミカルフリクションテクノロジー)は新たに開発された科学的分子構造による摩擦を生み出す添加剤を用いたシリーズで、今作のリリースで第12作目を数えます。
中でも、特に高い評判を得たのが、今回リニューアルリリースを行うこととなりました
Cシステム・バルサマックスでした。今から3年半程前にリリースされた
同作は、2015年の今なお、プロ・アマボウラーによる愛用者も多く、正に「名品」の一つと言えます。
当時のキャッチフレーズは「シリーズ最強のミッドフィルダー」と称され、事実困った時の
「バルサ」として定着感があったほどです。真っ黒なカラーリングにソリッドカバーならではの重厚感もあり、これぞボウリングボールだというような面構えで、多くのボウラーのレギュラーボールとして活躍してきたことでしょう。
私自身も当時から非常に助けられてきたボールで、クリーニングの利いたコンディションやオイル量があまり無いような場面では終日このボール一つで投球し終えたことも少なくありません。それほど高い安定力や信頼できるボールは案外それほど多くはないもので、今回リニューアルリリースされた「Cシステム・バルサマックス・ツアー」に向けられる期待は否応なく高く求められているはずです。
カバーストックに用いられているのは
初代同様に「CFTバルサマックス・ソリッド」カバーでコアも当時同様の
「デュアルフリップ・I-
ブロック・シンメトリックコア」となり、完全復刻は名ばかりではありません。
ちなみに、
初代がブラックソリッドカラーであったのに対し、今作は若干紺色を含むダークネイビーに変更、ロゴカラーもゴールド
→
シルバーに変わっています。
両者の唯一のスペック変更点といえば、当時には無かった微細研磨剤(
ロイヤルコンパウンド・
ロイヤルシャイン)を今作には使用しているという点です。
初代が#500
マイクロパッド→
ラフバフ→
ハイグロスポリッシュ(#1500相当)の研磨工程に対して、
今作は#500
マイクロパッド→
ロイヤルコンパウンド→
ロイヤルシャイン(#5000)を施して出荷されています。
その為、比較投球では今作の方が手前からミッドエリアにかけての直進力は増し、よりシャープな軌道を描くようにも思えました。3年の月日が経過する中で、
ブランズウィックの飛躍的なカバーストックやコアデザインの開発により、
最近のハイパフォーマンスボール達に比べてコンパクトな軌道となりますが、やはりそこがまた素晴らしいバランスを保っていることを付け加えておきます。そして、このボールはコントロール性能が抜群で、安定した軌道を描き、走りすぎず噛みすぎず出番が確実に回ってくるような信頼に応える主役級の働きを約束してくれます。
ここで、
初代「バルサマックス」を誰よりも愛し、愛用しているサンブリッジプロスタッフの
保倉映義プロ(38期・947:
ウニクスボウル)より、
読書の皆様に対し「Cシステム・バルサマックス・ツアー」の使いどころやポイントを語っていただきましたので、ご紹介いたします。
初代のCシステム・バルサマックスは「60°
×
4.5
×
40°」であけましたが、今回はもう少し走りが欲しいため「60°
×
5
×
40°」であけました。
印象は初代と同じように走り、バックエンドも大きく切れるわけでもなく、ポケットによっていく感じになり、ミディアム
〜
ドライレーンに合います。
表面加工によりオイリーまでなら使えます。ちょっと短めなコンディションに最適ですね。今後の試合に必ずラインナップすると思います。あと初代よりピンアクションが良くなっていますね!
いかがでしたか?
保倉プロは数多く出場されている公式戦において、ラインナップに必ずといっていい程の水準で持参されています。
ウッドレーンやシンセティックレーン、長いオイルに短いオイル、オイリーパターンやドライパターンと様々なコンディション環境で戦うツアープロが全幅の信頼を寄せている武器だということがお分かりいただけますでしょうか。
今回、ドリルレイアウトは
「65°×
4×
50°」の薬指穴の中にピン配置というレイアウトを使用しています。
今作は対称コアで、低慣性が数多くリリースされる中では「RG Min:2.540」という数値が示すように、手前からのキャッチや反応はできる限り抑えるように作られています。走り系でありつつ滑り過ぎず、
10本のピンを的確に倒すべく丁度良い塩梅のボールスペックで男性・女性問わず、曲げるタイプからストローカーまで多くのボウラーにマッチしてくれる真のベンチマークボールに仕上がっています。
さらに、オイルのキワをタイトに攻めた場合では、内側のオイルに乗ると勢いを増して直進しポケットヒットし、ドライゾーンでも抜群のグリップ力を発揮しリカバリーしてくれるなど非常に扱い易くスコアメイクし易いのが特徴でしょう。このドライゾーンでのグリップ感を体感している状態においてはとても効果的なピンキャリーを示し、高スコアの連続も大いに期待できます。
しかし、動きが見えないままでのヒットでは入射角度が不足しがちとなる為、オイルの中だけでの投球やキャリーダウンが厳しいコンディションでは曲がりが足りなくなってしまいます。使用の際はピン前での動きがしっかり確保できているのかどうかに着目いただき、攻略に活かしてもらいたいと思います。
この「Cシステム・バルサマックス・ツアー」は愛用者の買い替えやマルチに使えるボールをお探しの方に選択していただきたいボールです。プロスタッフ達も納得の万能球を是非、お求めください。復刻版ということもあり、お値段も良い具合に設定されている点も皆様にとって、大変嬉しいポイントですね。
それでは、次回のレビュー
(マスターマインド™・ブレイニアック)で、またお会いしましょう!
執筆後記
3年ぶりにお助けボールが帰ってきました!「信頼」という重要な要素を託せる今作は、あらゆるボウラーにとって大きな活躍を予感させてくれます。数量限定品の為、売切れ御免となりますのでお早目に!
今回のドリルレイアウト
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