第40回
2015年7月27日更新
こんにちは。プロボウラーの
逸見正晃です。今月のサンブリッジ発売ボールはもうご覧になられましたかか?マイナーチェンジではないフルモデルチェンジの実施とあり、多くのボウラーから注目の視線を浴びていたと思います。
既に市場に出ているものや近日リリースするものまで強力なラインナップが間もなく解禁されます。今回紹介致します
DV8の「バンダル™」は、そうした改革商品の第1弾として大いなる期待を受けて登場になります。
根底から新しくなったカバーストックに「バンダル™」用に新たに開発された
新型コア。
この組み合わせにより、これまでの
ブランズウィック・ファンを更に納得させられるスペックに仕上がりました。このレビューがアップされる頃には、きっと全国で「バンダル™」の名前が浸透していると確信しています。
本レビューにて、詳しいボールリアクションをお伝え致します。今回もどうぞ最後までお付き合いください。それでは、節目の第40回
ストライクレビュー「バンダル™」編をどうぞ!
65°
×
3・3
/
4
×
50°・P3位置にバランスホール
70°
×
3・7
/
8
×
55°・薬指穴内にピン抜き配置
博多スターレーン(ウッドレーン)
46フィートのクラウンコンディション
30.75
ml
・
※ 使用オイルが変更になっています。
カストディアンプラス
42°
2015年6月末、サンブリッジの
SNS発信にて
ボウリングボールの改革を謳ってきました。カウントダウンの度に、ボウラーによる期待のコメントを数多く拝見していました。
7月2日に全ての情報が解禁となり、
ブランズウィック・ブランドから垂涎の新開発ボール数種類が発表になりました。今回紹介致します
DV8の「バンダル™」、
同時発売の
サグ™・コラプト、8月発売の
ブランズウィックの
マスターマインド™・アインシュタインの3個に使用されているカバーストックが約20年ぶりに改変されたものです。
日進月歩、
ボウリングボールは進化を遂げる中においても、今回の発表は特異なもので、これから更にスピードアップした開発へご期待いただけると思います。カバーストックの変化により、レーン上でのトラクション性能は飛躍的に向上し、結果として一番のPRポイントは「ピンキャリーの強さ」を特筆致します。
明らかにこれまでの取扱いボールを超える重量感のあるピンアクションの良さは、既に投球いただいている多くのユーザーから感激のコメントをいただいています。
表面は曇っているのに意外とスキッドする、それでいてレーン上を這うように粘り感のある軌道を描き、激しいピンアクションを生み出してくれる。これが私の「バンダル™」の評価・総評です。
特許技術により誕生の新開発カバーストック「コンポジットパール」の名称が示すとおり、パールカバーを纏った「バンダル™」は安定した軌道とピンに加速してヒットするかの様なパフォーマンスが特徴です。
このカバーストックがこれまでと何かが違うなと感じたのは、到着後に箱から出した際に漂う独特の香りでした。従来の添加物とは違う、新たな添加物を複数使用して作られたカバーストックらしく、今までの
ブランズウィックでは感じたことの無いイメージをもたらしてくれます。
表面を触った際に、非常にベタッと粘りのある素材になっており、レーン上でのパフォーマンスを体感する前に素晴らしい軌道を描くはずだと気持ちが高揚したほどです。
「バンダル™」はコアにも新開発の
「バンダル・低・RG・アシメトリック」を採用、RG Min:2.499、ΔRG:0.055の数値が表しているように、非常に転がり感が良く、フレアの広がり方も大きく、新しい面でしっかりとレーンキャッチしてくれていることがわかります。
実際に投球した感触としまして、予想よりもオイルキャッチが強く、ミディアムより上のスペックに感じられました。非常に強いとは言いませんが、十分な曲り幅と優れたエントリーアングルの深さから生まれるピンを激しく弾く様が魅力的です。アウトサイドからディープインサイドまで、どのラインからでも必要な角度を確保し攻めることが可能です。
今回、ウッドレーンの
博多スターレーンとは別に、プレートベースのセンターでも投球しましたが、融通の利き方に益々「バンダル™」を好きになりました。
プラスティックレーンでの投球の方がメリハリを強く感じられるものの、幅広いアングルで有効なのはレーン素材を問わずに使用することができます。
表面加工において、ポリッシュ(光沢)加工したボールが楽にスキッドするのは勿論ですが、このボールの素晴らしいバランスを表現している部分は、箱出は#500
マイクロパッド→
ロイヤルコンパウンドの軽い曇り感のある表面でも直進力を保てる所です。
「バンダル™」を評価する為、様々な表面加工を施してみました。#1000
マイクロパッド仕上げ、#4000
マイクロパッド仕上げ、それぞれのポリッシュ仕上げ、そして再度箱出へ。
まず、先述の通り箱出でも意外に直進力があるという所が強みでもあるので、ハイポリッシュ仕上げはスピード不足のボウラー向けと言えます。私個人の感覚としては、曇った状態でこそ、このボールの良さが発揮できているのではないかなという感想です。
しかし、例えば2個を使い分けるとしたならば、レイアウトの差と併せてポリッシュボールも投げたいとは思いました。当然、目を細くしたポリッシュボールの方がスキッドはとても長くなる為、全体的に過敏なリアクションを伴うようになります。ピンキャリーの点ではポリッシュをきつく加工した状態になるとどうしてもキャリーダウンの影響を受ける為に使い所をよく考えることが求められます。
そして、数回工程を繰り返した後に箱出に戻したわけですが、今作の表面仕上げの#500
マイクロパッド→
ロイヤルコンパウンドを再度施したら、
箱出時よりもかなり光ってしまいました。これは箱出に施されている
ロイヤルコンパウンドの掛け方によるでしょう。投球してコーナーピンが上手く飛ばないと感じた方は
マイクロパッド加工をした上でライン取りを組み立てると効果的なはずです。
強引なラインではなく、あくまでレーンコンディションに沿った攻め方を実施することで、安定したパフォーマンスを供給してくれる所が幅広いボウラーにお勧めできる由縁です。
今回のドリルレイアウトは
「65°×
3・3/
4×
50°」で、バランスホールもフレア増をめざし、自身のPAPからP3位置にドリルしています。
動きを強く体感したかった為、曲がり幅を得やすいレイアウトを選択致しました。
比較投球ボールは、
ブランズウィックの
クリスタル・エッジ™です。
レイアウトは70°
×
3・7
/
8
×
55°で「バンダル™」と酷似しています。(※どちらもピン位置は薬指穴内)
言わずと知れた「エッジ」シリーズは、日本限定発売の人気シリーズです。その最新作だけあり、適度なスキッド感とバックエンドでの戻り感が好ましいスペックです。
クリスタル・エッジ™は同シリーズ内ではレーンキャッチの良い部類ではありましたが、
今回比較した「バンダル™」とでは、よりオイルに影響を受ける形でした。オイルにある程度の滑りを感じることでメリハリのある動きを生み出している為、滑り感があることが悪いわけでは全くありませんが、キャリーダウンによるパフォーマンスの低下を如実に感じたのは
クリスタル・エッジ™でした。
レーン手前からピンヒットに至るまで、オイル上でも安定した軌道とキャッチ力の点で「バンダル™」が上手でしたが、キレのある動きを求めるボウラーには
クリスタル・エッジ™は、とても素晴らしいスペックです。
今回の新カバーストックの開発により、ボールラインナップの幅が益々広がっていくことになります。その第一弾としてサンブリッジが総力を挙げてPRしてきた甲斐もあり、多くのボウラー様に高評価をいただいています。
そして、おかげ様で「バンダル™」は初回便、第2便までが完売しており、8月に第3便の入荷が決定しています。今の
ブランズウィック・ブランドのクオリティを体感する為にも是非、積極的にお選びくださいね!
それでは、また次回のレビュー
(DV8・サグ™・コラプトを予定)でお会いしましょう!
執筆後記
全てが新しい、革新的なボール「バンダル™」が遂に登場。万人向けスペックで今まで以上のピンアクションをもたらしてくれます!
今回のドリルレイアウト
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