第16回
2014年9月8日更新
こんにちは、プロボウラーの
逸見正晃です。ようやく厳しい暑さも過ぎ始めましたね、もう少しすればスポーツの秋!年中快適な空間の中でプレーできるボウリングは非常に親しみやすいコミュニケーションスポーツだと思います。
レジャーでも、競技でも、それぞれの目的にあった楽しみ方で満喫しましょう!このレビューをお読みの皆様はぜひ、お友達を誘ってボウリングを楽しんでくださいね。今回取り上げるのは、ブランズウィックの最新作で最も強力に曲がる「Hook」カテゴリーに属する「マスターマインド™」シリーズからお届けです。
それでは、第16回ストライクレビュー「マスターマインド™・インテレクト」編をご覧ください。
60°
×
4・7
/
8
×
40°・ピンアップやや中指側配置・バランスホール有
63°
×
5・1
/
8
×
43°・ピンアップ中指側配置
博多スターレーン(ウッドレーン)
43フィートのクラウンコンディション
30.1
ml
カストディアンプラス
42°
ボウラーにとって、魅力的なフックボール。ストライクの快感は体感するとハマってしまうものです。より曲がるボール、更に入射角度を得られるボールというものはいつも多くのニーズとしてボウラーから声が上がります。
もちろん、言うまでもなくボウリングには
レーンコンディション、すなわちオイルの状況がボールパフォーマンスに多大な影響を及ぼしますので、常に曲がりが出せると有利かと言えばそうではありません。そこが、ボウリングの奥深いところではないでしょうか。
レーンの下地(ウッドレーン・プラスチックレーン)の種類や程度、湿度や空調による環境具合、そしてメンテナンス状況などを加味すると、全く同じ
レーンコンディションというものはそうそう出合わないものです。
一般にコンディションの説明として、オイル量の多いオイリーから反対にオイル量の乏しいドライ、その間としてミディアムという表現をします。ボウリングボールには製造コンセプトがあり、こうした様々な
レーンコンディションに対し、対応すべく曲がり方や度合いなどバラエティに富んだ種類が存在しています。
オイリー向き、ドライ向きといった表現がこの部分にあたります。言うなれば、オイリー向きは曲がりが強め、ドライ向きは当然弱め、ミディアムは無難な所をカバーすることになるので、自身の球質や使用したい環境によって選択肢は変化するわけです。
さて、では今作はどうでしょうか。現在、
米国ブランズウィックのボールラインナップのカテゴリーには「Hook」「Flip」「All-Purpose」「Affordable」等に分けられています。それぞれ、曲がり系、走り&切れ系、多用途で無難なマルチ系にお手ごろ系といった所でしょうか。
その中で「Hook」に属しているのは唯一、マスターマインド™シリーズだけとなります。昨年秋に
マスターマインド™(以下初代)が誕生し、同ブランド中最大の曲がり、ピンアクションを得られるとあり、大変な人気を獲得しました。現在も多くのプロアマボウラー達が使用している所を見ると、こういったボールには強い信頼を置くことができるのではないでしょうか。
更に、
同ブランドにおいて、珍しいカラーリングを採用したことでもボウラーの興味の的となった第2弾・
マスターマインド™・ジーニアスの登場からは約半年が経ちました。
初代をベースにハイブリッドカバーへと変え、手前の直進力を増加によりピン前側での動きにメリハリを付けたことで、大きなバックエンドリアクションを体感できました。「出して戻す」のラインが投球しやすく、非常に頼りになる一球です。
そして、新作「マスターマインド™・インテレクト」は、米国でも増産し続ける程の人気の
初代同様、ソリッドカバーのヘビーオイル対応バージョンとして誕生したわけです。
同じソリッドベースといっても、今作のカバーストックは「オーナーロール・ソリッドリアクティブ」というもので、
初代を更に高摩擦化したものだと感じています。
強いカバーストックと強い
「マスターマインド・ウルトラ低・RG・コア」により、オイルの多いコンディションに大変マッチするスペックと言えます。
私が投球したのは箱出状態の#500
→
ロイヤルコンパウンドと、#500
→
#2000仕上げ、更にポリッシュ加工のものまで試してみました。
まず、感じたのはレーンキャッチ力の強さが凄いということ。
ロイヤルコンパウンド仕上げとなっている為、投球につれトラックが摩耗し更にキャッチ力が増加していくような印象です。
カラーによる視覚的要素もありますが、全体的な曲がりはまさしくアーク状です。
初代に比べてもより早い段階からのリアクションなのかなと思いました。
おそらく、表面仕上げでは
初代が#500
→
#1500仕上げに対して、#500
→
ロイヤルコンパウンドなのは、キャッチ力を多少抑える意図があるのでしょう。
目を細かくすると、
初代は割とスキッド感もありましたので、ドライゾーンに向けての投球もできるイメージがあるのに対し、今作はより孤を描く為にオイルを長く使ってポケットに集めるラインの方が適しているように思います。
初代でもスキッドし過ぎてしまうというボウラーや、ボールが滑って困るという方に最適なボールです。非常に大きな曲がりですが、過激な曲がり形状ではない為に、ボールを転がすタイプの方にも優れたパフォーマンスが期待できます。
スピード不足気味な方には高摩擦ボールだと曲がりが早く出てしまい、本来の動きを体感し辛いので、余程オイリーなコンディションでの使用を望む以外は難しいかもしれません。試合向けのオイル量が多量を目的にするならば、#2000等のマット仕上げが特化して使用し易く、デイリーでは更に目を細かくしてポリッシュ加工を施すことも有効だと感じています。
今回のドリルレイアウトは
「60°×
4・7/
8×
40°」と、強いボールをより長い時間使用できたらと思い配置してみました。
比較用の
初代とも酷似しています。パワフルなボウラーにはより低めの角度を選択して、早めからしっかりとボールを傾けるようにすると良いでしょう。
私がこのシリーズにて、特に気に入っているのはピンキャリーの良さです。初めて
初代を投球した際に感じた飛びの良さは他の高スペックボールにも負けず、非常に強さを体感できました。
2作目の
マスターマインド™・ジーニアスでは、薄めのピンキャリーが更に向上し、スピードがさほどない女性ボウラーにも使用することができました。
今作はソリッドベースによりオイルを必要としますが、朝一レーンや競技レーン、スピードが早めのボウラーにとって大いなる武器となってくれるでしょう。ブランズウィック・ブランドのフックボールシリーズの看板とも言える同シリーズの最新作。これでオイリーコンディションはもう怖くありません!
執筆後記
ブランズウィック最大のパフォーマンスシリーズが更にアップデート!ポケットに集めやすいフックボールをお探しの方にお勧めです。曲がりと飛びの良さを是非、体験してみてください。
今回のドリルレイアウト
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