2014年9月のサンブリッジより発売されるニューボールは先日紹介しましたマスターマインド™・インテレクトと、この「ブルート™」になります。前者はオイリーコンディションを対処すべく開発されたビッグフックボールです。 オイルの多いコンディションや、スピードが速くて曲りが不足しがちなボウラーにお勧めの1球です。しかし、スペックが良くても曲がるボールは上手く使えない、そんなボウラーに紹介したいのが後者の「ブルート™」です。
この「ブルート™」は大人気のフォルテラ・エグザイルのカバーストック「フォテフィ・リアクティブ」をパールカバーからハイブリッドカバーへと改良し、オイル上でのスムーズな安定感を実現しました。 そして、今作の最大の特徴は「ブルート・低・RG・シンメトリックコア」と名付けられた対称型のコアになります。「RG Min：2.491」と、低慣性スペックで手前から素早く転がり始め、ΔRG：0.032（規定上の上限は0.060）のフレアを抑えた設計は、広く一般的なボールとは大きな違いを感じられます。 ボールは手から放たれた直後から回転運動を始めます。ボールがオイルを塗られたレーン上を進むと帯状の線が付着します。これをトラックフレアと呼び、ΔRG数値が高いほどフレア幅が広がり低いほど狭くなります。 当然、オイルの付着した部分で転がり続けると摩擦が小さく曲りも出にくくなり、オイルの付いていない面でレーンと接地することで、高い摩擦力を確保し曲りを生み出しています。昨今のハイパフォーマンスボールは、このフレアポテンシャルを高めに設計していることが多く、それだけコアによる強い曲りを求めたコンセプトのボールが多様化しています。 そのような中で、今作は摩擦も適度で直進力豊かなカバーストックと、転がりを楽に感じられた上にその軌道を保持するコアとの組み合わせにより誕生したのが、この「ブルート™」になります。
曲りの軌道はキレ系というよりもアーク状で、スムーズに曲りを感じる印象です。決して大きく曲り幅をとるイメージではないので、ショートコンディション等に効果的なボールとなります。レーン手前のオイルが極端に薄い状況下では、カバーストックの強さもあり早めからの立ち上がりとなるので注意が必要です。 私の投球した感覚では、極端に直進するボールというよりは、レーンキャッチ力は感じるが、曲がりの小さなボールだというのが伝わりやすいでしょうか... 。ですから、冒頭に挙げた高回転ボウラーのように自身で転がりを作り出す球質の方には非常に高い安定を持ちつつ、予測しやすいパフォーマンスを得られるということです。 また、自然に転がせてスピードが乏しいというボウラーにも、コントロールし易くピンアクションも期待できる為に是非、お使いいただきたい仕様です。
今作のドリルレイアウトは「65°

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4・1

/

8

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35°」の薬指上にピン配置しています。 投球したコンディションが43フィートの為、このレイアウトでも比較的曲りは小さく感じられます。 早い段階からの動き出しを求めるならば、PIN・PAP間を3・38インチ（45°）程度にレイアウトし、更に曲りを遅らせるならば4・12インチ（60°）以上でも良いでしょう。回転が少な目の方では45°に近づけた方が、しっかり転がりを得られると思います。
表面は箱出状態で、#500ロイヤルコンパウンドロイヤルシャインと、非常に細かな表面仕上げとなっています。下地の#500は強く活きているので、想像よりも早い立ち上がりを起こした場合、下地を細かく研磨することで更に直進力を強化可能です。 いつも板目を広く使って投球しているボウラーでもオイルの「キワ」を沿わせたライン取りも容易で、シビアなコンディション下での防御策としても有効に働いてくれるでしょう。 比較投球に用いたのは、同じく緩やかな軌道と、高いスコアメイク性能でプロスタッフにも人気のメーリー™・クロスです。どちらも転がり感抜群ですが「ブルート™」は立ち位置5枚程度はアウトサイドから投球が可能な程度の違いがありました。 ドライゾーンに入ると回転方向に曲りを得られるメーリー™・クロスに対し、更にそのまま長い軌道をタイトに進む「ブルート™」はこれまでのボールイメージとはまた違った印象のボールに仕上がっています。 板目を狭く投球でき、レーンを楽に攻略できるシンプル設計の「ブルート™」。これまで板目を必要以上に使用せざるをえなかったボウラーに革新的なボールです。どなたにでもお勧め、という万人向けボールではありませんが、だからこそ、このボールを必要としているボウラーにとって、大切なボールとなるはずです。

今回のドリルレイアウト

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