第45回
2015年9月6日更新
こんにちは。プロボウラーの
逸見正晃です。9月に入り、うだるような暑さも落ち着いてきましたね。スポーツの秋が間もなくやってきます!9月にはボウリングファン目白押しの大会が数多く開催になります。
まず、9月2日
〜
6日にはお隣の韓国にて「第17回三湖コリアンカップ」が開催になります。海外の強豪選手を相手に戦う
JPBA選手に是非、ご声援ください。
また、同月9日
〜
12日におきまして、京都のMKボウル上賀茂にて
「第10回MKチャリティカップ」が開催。こちらは第10回記念大会となっており、非常に豪華な副賞も魅力的となっており、男女共催の為に非常に熱気ある大会となるはずです。
さらに、アマチュア最高峰のスポーツイベント「国民体育大会」も同月下旬より開催です。今年のボウリングは、9月27日
〜
10月2日(競技日程より)に
「2015紀の国わかやま国体」として実施されます。こちらも併せてご注目いただきたいと思います。
さて、数あるボールの中から自分向けボールを選択することは意外に難しい事柄となっています。今回紹介します「ブルート™・ストレングス」は数多く発売されているボール達と少し志向の違ったスペックとなっているのが特徴です。
この
レビューが皆様の愛用ボール選びの参考になれば幸いです。今回もどうぞ最後までお付き合いください。それでは、第45回
ストライクレビュー「ブルート™・ストレングス」編をどうぞ!
75°
×
3・3
/
4
×
55°・薬指穴内ピン抜き配置・バランスホールなし
65°
×
4・1
/
8
×
35°・ピンアップ薬指上配置・バランスホールなし
博多スターレーン(ウッドレーン)
42フィートのクラウンコンディション
30.6
ml
カストディアンプラス
42°
特徴的なロゴデザインも記憶に新しいブルート™がちょうど1年振りにリニューアルして「ブルート™・ストレングス」として新登場いたします。
今作は
ブルート™シリーズ最大の特徴である低慣性でフレアを抑えた
コアはそのままに、カバーストックを改良・強化したバージョンとなっています。
転がり感豊かながら、フレアが控えめで急激な反応をせず曲り込む様は、
コア特有のもので他ボールでは出せない特徴がポイントです。
使用しているカバーストックは、メーリー™シリーズでも特に高い人気を持ち愛用者も多い
メーリー™・ジャブに採用した「サヴィ・フックパールリアクティブ」をベースにハイブリッド改良を施した「サヴィ・フック・ハイブリッドリアクティブ」です。
初代・ブルート™が「フォティファイ・ハイブリッドリアクティブ」でしたので、よりオイルへの摩擦具合が強化されていることが分かります。
その為、ひと曲りがおとなしめだった
初代・ブルート™に比べてフックを体感し易くなりピンアクションも新作ならではのパフォーマンスを楽しんでいただけるはずです。
コアの特徴でレーン手前よりしっかりと転がり、曲がり幅もあるものの急な曲り角度ではなくアーク状な軌道を描きます。
転がり続けるといった方が伝わりやすいでしょうか、クランカーに好まれる傾向の強かった
前作に比べるとストローカーにも受け入れられ易くなっていることでボウラーの使用範囲は広がったように思います。
そして、直進してカドの出る動きに比べると丸みのある曲り形状となっていることで、多少手前からの動き出しを感じますが、そのことで一層安定した進み方を示します。
投げた感覚としましては、カバーストックの変化から曲り幅が大きくなった部分が如実でした。ハイブリッドカバー特徴の走りすぎずに噛み過ぎない具合が良くできていますが、シリーズ名からイメージすると、予想以上に強い印象と言えるでしょう。
適合コンディションとしては一般に「ミディアム以上オイリー未満」という感覚で、適度なキャッチ力を活かしてオイルを感じるエリアから段々とドライエリアに向かって投球すると戻り感が出て扱い易くなります。
レーン横方向は勿論ですが、縦方向のオイル濃淡にも軌道バランスが良く、ラインのイメージを得ることが容易です。昨今の過激な軌道を描くボールに比べるとマイルドな印象ですが、その中に光る強さがこのボールならではと言った所でしょう。
コントロールし易くて曲りもあるボールが欲しいというボウラー向けで、
前作とは違いコンディションによってはスピードの無いボウラーでは直進力が不足する可能性がありご注意ください。
表面仕上げは#500
マイクロパッド→
ロイヤルコンパウンドという定番仕上げとなっています。
新品のうちよりも、投球を繰り返すにつれて生じる摩耗によるツヤ落ちを感じるゲーム数を消化する頃には軌道の安定感が増し、使い易さが際立ってくるはずです。
今回のドリルは
「75°×
3・3/
4×
55°」で薬指穴の中にピンを配置したお気に入りのレイアウトを採用しました。
動きを見出し易くすることを目的に選択し、ボールの差を感じ易いイメージがあり多用しているものになります。比較ボールは、先述の通りに
初代・ブルート™との投げ比べを実践いたしました。
どちらもハイブリッドカバーではありますが、カバーストック本来の摩擦力の違いで、今作との曲り幅比較では一目瞭然の結果となりました。
長めのスキッド力と読み易い柔らかいバックエンドリアクションが売りの
初代・ブルート™に比べ「ブルート™・ストレングス」は全体のフック力が向上したことで、立ち位置から板目の使用幅まで大きく感じられます。
短めのコンディション対策に優れたパフォーマンスが持ち味の
ブルート™はクリーニングの利いた状況下では優れたピンキャリーを生み出してくれる分、キャリーダウンしてしまうと戻り感が弱く物足りないこともありました。
「ブルート™・ストレングス」はそんなキャリーダウンを感じ出したレーンコンディションにおいても、カバーストックと
コアのマッチングの良さから攻めの使用が可能です。
全体のオイル量が少なめならば
初代で、ミディアムオイル以上では今作の方がパフォーマンス、ピンアクションに優れるので、使う場面を想定してみられたら良いでしょう。
初代を好んで投球しているボウラーにも、それぞれで使用する状況が違えて頼れる一球としてラインナップできます。それでは、また次回の
レビューでお会いしましょう!
執筆後記
転がり感抜群なのに暴れずコントロール性能にも優れている最新作。敏感な動きが苦手だけど曲りは欲しいというボウラーにお勧めしたいスペックで復活です!
今回のドリルレイアウト
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