第44回
2015年9月3日更新
こんにちは。プロボウラーの
逸見正晃です。
サンブリッジ取扱いの
ブランズウィック・
DV8に続く第3のブランドとして国内に登場した
「ラディカル」。今回の「プリモ™」で早くも第6弾となります。
強力なフックモーションを生み出すハイパフォーマンスボールから普段使いに長けたボールまで、幅広く市場へと送り届けてきました。ミッドプライスモデルの上位タイプとして登場の今作はどのような可能性を秘めているのでしょうか。
今回も最後までお付き合いを宜しくお願いいたします。それでは、第44回
ストライクレビュー「プリモ™」編をどうぞ!
60°
×
4
×
30°・薬指真上位置ピン配置・バランスホールなし
60°
×
4
×
30°・薬指真上位置ピン配置・バランスホールなし
博多スターレーン(ウッドレーン)
42フィートのクラウンコンディション
30.6
ml
カストディアンプラス
42°
ミッドプライスモデルを幅広く展開する
「ラディカル」より、また新たなラインナップが誕生いたしました。サンブリッジが取扱いをはじめて第6作目となる今作「プリモ™」は、
グリースモンキー™やラックアタック™シリーズの上位モデルとも言うべき位置づけとなっています。使い易さに定評ある同ブランド最新作のコンセプトは、抜群の転がり感と安定感!
一般的に曲りがシンプルに生まれやすい対称コアに適度なレーンキャッチ力をバランス良く実現した新しいパールカバーストックとの組み合わせで、これまでのミッドプライス帯より一回りパフォーマンスが向上した点を分かり易く体感できる仕様となっています。
カバーストックに使用しているのは、融通の利く摩擦力バランスに長けた「ニューバーサタイル・リアクティブ」。パール配合のカバーですが、落下点でのキャッチ具合にしてもさほどオイルに弱いイメージはなく、丁度良い塩梅のグリップ力というイメージです。
滑るという表現はあまりマッチしないようで、転がりながら直進してくれるのがポイントでしょう。最高位モデル・グルシリーズでも話題になった特許取得コアを開発するなど
「ラディカル」の得意分野であるコア開発はこの「プリモ™」にも活用されており、フィンガースクープテクノロジーという独自のコア開発は多いに興味を集めています。
フレア幅の増減で動き方を容易に調整できるので、気に入ったボウラーは2球でドリルレイアウトを変えて使うのもお勧めしたいと思います。視覚的にも分かり易いこのボール最大の特徴は、非常に早く転がる
低慣性対称コア(プリモ・シンメトリックコア)を用いている点にあります。
先述のオイルに弱くなく滑る感じが無いという点は、この
コアの転がりによる強さも影響していると考えて間違いないでしょう。レーンに接地しピンヒットするまで豊かな回転は持続し、読み易いバックエンドリアクションを我々に与えてくれます。
私の投球したイメージでは、まず感じたことは手前からの素早いローリングであり、軌道のブレを軽減してくれているように思います。また、動き方は全体的にマイルドなリアクションを示し急激な曲りでない分、板目をタイトに使用することで飛躍的に安定したパフォーマンスを発揮するはずです。
ミディアムコンディション向けボールの中では特に転がり感をもった性質となるので、レーン奥側より手前側を意識して投球するプレイヤーにも多用途な武器として頼れるのではないでしょうか。投球ラインとしては、真っ直ぐからオイルのキワ側への投球がピンキャリーと動きの安定が見えました。
投球希望ラインの外側がドライゾーンの場合に戻り感は得られますが、板幅を使いすぎるとコーナーピンが残ってしまう印象があったので、どちらかというとポケットに向けて絞ったライン攻めの方が適しているように思います。
只今、絶賛発売中の
マスターマインド™・アインシュタインや
サグ™・コラプトといったハイパフォーマンス帯ならではの優れたピンキャリーに比べると、やや硬さが気になりますが、ポケットに集めやすいので結果としてスコアリングに長けたボールになっています。
そして、ストライクを生み出す為に重要なのはミッドエリアにてレーンキャッチしてくれているかが鍵となり、その過程を意識してアジャストできると優れた幅のあるボウリングを可能としてくれます。何より、軌道が分かり易く持続力のある動きと、非常に転がりが良いのに垂れにくいバランスの良さが一番のポイントでしょう。
今作の表面仕上げは#500
マイクロパッド→
ロイヤルコンパウンドという定番仕上げとなっています。程よいツヤがあり、基準とすべき位置づけになっています。
より強い摩擦力を求めるならば#1000
マイクロパッド程度でマット仕上げ、長いスキッドエリアが欲しいならば#2000
マイクロパッド→
#4000ポリッシュ仕上げという様に使い分けをすることができます。あまりスピードの無いボウラーで直進力を求めるならば再度ポリッシュ加工を施すこともお勧めいたします。
今回採用したドリルレイアウトは
「60°×
4×
30°」となりピン配置では薬指の真上程度です。
せっかくの転がり系ボールですので、その良さを活かせるようにしっかり動きを見せてくれることを意図してみました。比較ボールは、同じく
「ラディカル」ブランドの
グリースモンキー™・ワックとし、
ドリルレイアウトも同様の
「60°×
4×
30°」です。
オイルが薄くなってきた後半で非常に高い信頼を置いている同ボールは、ハイブリッドカバーながら適度なスキッド感とコンパクトな曲りを得られるナイスなミッドプライスボールです。
第一便が即日完売するなど
「ラディカル」ブランドらしいボールであり、レディースやシニアにも勧めやすいシンプルなスペックに定評があります。
比較的摩擦が小さい謳いではありますが、ハイブリッドカバーの特徴とも言える、滑りすぎず噛み過ぎず、しっかりと軌道を描く様は一度見ると興味を持っていただける自信作です。私はこのボールを投球する際は、手前のオイルが枯れてきている状態でピン側の曲りが不安定な際にポケットに集めることを目的に使用しています。
オイルに蹴られるほど弱くない為、角度を保ちながら前進してくれる部分が
グリースモンキー™・ワックのPRしたい所です。
今作「プリモ™」はその
グリースモンキー™・ワックを強化した素早い転がりとキャッチ力が魅力であり、上位版スペックを体感し易く思います。
全体のフック幅は「プリモ™」の方が大きく、曲がり出しは比較ではやや早く立ち上がりました。
グリースモンキー™・ワックではスキッドし過ぎて曲がりが出遅れる状況でも「プリモ™」はしっかりと傾きを感じられフックしてくれる安心感は魅力的です。
それでも、オイルの中を長く辿るよりも横方向の段差の低い部分を攻める方が使いやすいイメージでしたことを付け加えておきます。
今回、ミッドプライスの上位モデルとして誕生した「プリモ™」は使い易さが売りの
「ラディカル」ブランドにおいて、融通性とスコアメイク性能のバランスが優れた一球として新登場になります。
これまで
「ラディカル」のボールを使ったことが無い方や
ブランズウィックグループのボールらしいトラディショナルなパフォーマンスを好むボウラーにマッチする仕様です。
視覚的にも気持ちの良い転がり感を楽しみたい方は是非、この「プリモ™」で
「ラディカル」デビューされてみてはいかがでしょうか。きっと同ブランドの投げ易さを感じていただけると思います。
それでは、また次回の
レビュー(
ブルート™・ストレングスを予定)でお会いしましょう!
執筆後記
「ラディカル」の醍醐味である使い易さと最新の低慣性コアの転がり感との融合で生まれる安定した軌道と容易なスコアメイクがお勧めです。
今回のドリルレイアウト
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