第64回
2016年3月21日更新
こんにちは。プロボウラーの
逸見正晃です。3月もサンブリッジより目白押しの
3球がリリースされています。
今月最初のレビューボールは
ラディカルより発売の「プリモ™・ソリッド」です。ドリル当初より抜群のスコアメイク力で、シンプルなのに独特な安定感とコーナーピンを効率よく弾くことで即座に気に入った一球です。
その証拠に、ドリルして10Gほど経った頃にはパーフェクトゲームも達成することができて益々信頼度が上がりました。
同月には
ブランズウィック最上位・
ニルバーナ™の後継モデルである
アルティメット・ニルバーナ™がリリースされることもあり、
ラディカルブランドとしては難しい立ち位置かもしれませんが、投げれば分かる出来栄えの良さをお伝えし選択していただけたらと思います。
それでは、第64回
ストライクレビュー「プリモ™・ソリッド」編をどうぞ!
60°
×
4
×
30°・薬指穴真上位置にピン配置
60°
×
4
×
30°・薬指穴真上位置にピン配置
博多スターレーン(ウッドレーン)
44フィートのクラウンコンディション
30.4
ml
カストディアンプラス
42°
いつもより若干オイルの長さが長くなっています。
最も投球機会が多いと思われるハウスコンディションやリーグボウラーを主なボウラー層として開発を行っている
ラディカルブランドより、また新たにメインボールの一角を担える武器が誕生いたしました。
2015年・夏以来のプリモ™シリーズ第2弾となります「プリモ™・ソリッド」は、高い信頼を勝ち取るべく製造されており攻めの姿勢を失うことなく安定した軌道を提供いたします。
前作で定評を得た抜群の転がり感はそのままに、
適合コンディションをミディアム
〜
ヘビーまで幅広く対応するべく強力なソリッドカバーと融合した結果、
レーン手前から的確にレーンキャッチしパワーを維持したままピンに頼もしくぶつかっていく様は見る人を納得させられる水準を十分に持つボールと言えます。パールカバーからソリッドカバーへ変わったことによって、オイル上で流されることは無くなりキャリーダウン状態においてもピンをしっかりと弾いてくれる所が強みでしょう。
強いレーンキャッチ力を感じるわりに曲り幅と形状はとても読み易く、素直なレーンコンディションは勿論ながらバーコード状に荒れたコンディションでも優位に活躍してくれるオールラウンダーという立ち位置をカバーしてくれるので投げていて助けられたと思う場面が度々出てくるほどです。
この「プリモ™・ソリッド」には
前作同様の
低慣性対称コアが採用されており、私がシリーズを通して気に入っている最大の要因はこの転がり感が気持ち良い点です。
素早い回転力が安定した軌道を手助けし、多少の「ズレ」に対しての対応力が非常に優れているように感じられ、ポケットヒットの成功率が飛躍的に高められることをポイントに挙げたいと思います。RG Min:2.483の数値が示すようにリリース直後から豊かに転がる様は国内ボウラーにとって有力である場合が多く、
ブランズウィックの人気シリーズ「オーラ」に匹敵する転がりの安定感と評価しています。
投げてみた感想としては、先程から書いているように特筆する点は転がり感です。しかし、ただ転がるだけではなくコントロール性能にも優れたバランスが良くピン前の曲りが不安定な状況やオイルの濃淡・壁が高いコンディションでも特に使用する機会が出てくるように感じました。
あまり出し戻しを行うリアクションイメージでは無かったものの、自身でボールを早く転がすことができる選手ならばストロングフックを得ることも容易に可能です。内壁の高いコンディションではしっかりとレーンに張り付きながらも不要に暴れることなくポケットに吸い込まれ、
オイルが比較的少ない部分では進みながら方向転換し終わらず寄っていくことでキャッチ力の高いボールなのにロールアウトしづらく最後まで曲り続けることを可能にしてくれます。しっかり転がすとその分パワフルなピンアクションを示し、やや薄めから厚めまで広いストライクゾーンを得られるのはとても魅力的です。
ソリッドカバーはキャッチ力の良さが売りとなる為に、手前が長くスキッドするボールをお求めの方には早い段階で曲りが始まってしまうのでお勧めはできませんが、滑って困っているというボウラーやレーンを探りやすい球、回転させても暴れない球をお探しの方には非常に良いボールになっています。
また、表面の番手は見た目に粗さが伝わりますが、#500
マイクロパッド→
#2000の工場仕上げです。ソリッドカバーらしさと柔らかさを感じる為にはマット仕上げでの投球を推奨し、強弱は番手の粗さを調節されると良いでしょう。
このボールが直進せずに難儀する場面ではより直進力のあるボールを選択して投球するように心掛けられるほうがスムーズにボールチェンジも行えるようになると思います。
今回のドリルレイアウトは、比較ボールに用いた初代・
プリモ™と同様に
「60°×
4×
30°」のピンアップレイアウトを採用しています。
曇り玉ですので、いかにロールアウトさせずピン前で起こしてあげられるかがピン飛びに影響すると思いドライエリアでは素早い移行を狙った次第です。ピンアップでも必要なレーンキャッチ力は充分確保されており、使い易さのバランスを考慮するとこのあたりが良いかもしれません。
初代・
プリモ™と今作「プリモ™・ソリッド」の違う点はカバーストックの種類です。パール系カバーからソリッドカバーとなった点からよりオイルに対し強化されたことは言うまでもありません。
パールカバーなのに過敏過ぎずコントロールし易いと感じていた
プリモ™でしたので、今作はそのイメージを持ったままオイリー側にシフトできたことは扱い馴れする期間が短く済んだ由縁でしょう。
転がっている感触はやはり
同コアであることから似た印象を持ちますが、オイル量により流されていた
前作に比べると飛躍的に攻撃性が増しています。
良く転がりオイルに強いのに無理な軌道を描かない、これまであまり無いタイプの独特さが際立つ
ラディカル「プリモ™・ソリッド」。
外でも中でも色々なラインから攻められるベンチマーク・ボールとして市場に新登場いたします。投げないと良さはわかりません!使い易さと使用範囲の広さに定評ある同ブランドボールを是非、ご検討くださいませ。
それでは、また次回の
レビュー(
ヴィンテージ・デンジャーゾーン™予定)でお会いしましょう!あの伝説のボールが再びレーンに蘇ります。乞うご期待!
執筆後記
ラディカル一の転がり感を持つ
低慣性対称コアにレーンに張り付くかのようなグリップ力を持つソリッドカバーとのコンビネーションボールが誕生!
必要な分を的確に曲りポケットへの対応力とピンアクションが格段に向上いたしました。スコアメイク上手を目指すならば是非、お試しください!
今回のドリルレイアウト
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