柔らかさを増したソフトセグメントはレーンコンディションの変化にも対するアジャストを最小限に抑えることを可能にし、ピンヒットに対してもワイドなスイートスポットを形成することで爆発的な破壊力を実現しました。
第66回
2016年3月25日更新
こんにちは。プロボウラーの
逸見正晃です。今月最後の
レビュー紹介は満を持しての登場「アルティメット・ニルバーナ™」となります。
リリース前より多くの問合せをいただき、前評判も非常に高かった今作。既に追加発注が決定しているほどの人気を得ている状況です。大判POPに多くの
サンブリッジ契約プロスタッフが映っている魅力的な告知も流石サンブリッジ!
場内に掲示していると「おっ」と足を止めて見入ってくださる方も印象的に思っています。まだ、ご覧になっていらっしゃらない方は是非、ボウリング場で探してみてくださいね!
さて、今作は昨秋に新素材カバーを搭載した新シリーズとして初お目見えした
ニルバーナ™の続編です。多くのボウラーを魅了している
同作からの改良点はどのようになったのか、今回も最後までお付き合い下されば幸いです。
また、大注目の人気作ですので、特別にサンブリッジが誇る人気男子プロボウラーにもコメントにて登場いただいていますので、そちらもご注目ください!それでは、第66回
ストライクレビュー「アルティメット・ニルバーナ™」編をどうぞ!
55°
×
4・5
/
8
×
45°・中指・薬指中間位置ピンアップ
55°
×
4・5
/
8
×
45°・中指・薬指中間位置ピンアップ
博多スターレーン(ウッドレーン)
44フィートのクラウンコンディション
30.4
ml
カストディアンプラス
42°
いつもより若干オイルの長さが長くなっています。
米国
ブランズウィック最高レベルのハイパフォーマンスボールとしてリリースされた
ニルバーナ™。
高い安定感と優れたリアクションを可能にした最新カバーストックと
超・低慣性コアのマッチングにより、我々プロスタッフは勿論ながら多くのアマチュアボウラーにとっても心強い味方の1つとして活躍していることと思います。
今作はオイリー対応ボールの初代・
ニルバーナ™とは違い、ミディアムオイルからでも使用ができるように改良されており、曲がり形状も更にメリハリあるバックエンドリアクションと大きな入射角度を容易に得られる仕様です。
ピン側であと一転がり欲しいという場面が多い方にとってパワフルなフックパワーを与えてくれる今作「アルティメット・ニルバーナ™」は強力に攻める姿勢をサポートしてくれるはずです。注目のカバーストックには、最新カバー「ECS」のハイブリッドバージョンを初採用いたしました。
この変更により、
初代の強さが上手く発揮しづらかったコンディションにおいてもパフォーマンスの水準を維持することを可能とさせ、結果として幅広いコンディションへの対応力が強化されました。
前作に比べて女子プロボウラーの利用率も上昇している点からも、扱い易さと使用頻度は飛躍的に向上したと評価できます。
このカバーストックの良さは、バックエンドリアクションを損なわない程度のレーンキャッチ力と優れたオイル吸着を実現している点に感じています。
初代に比べて楽に奥へとボールを運べることが強みであり、視覚的に動きを体感し易く使える範囲が広がりました。
コアには、シリーズ専用
「ニルバーナ・ウルトラ低・RG・コア」を使用しており、手前での素早い転がり感と、一気に傾く軸移動の強さが特徴的です。ドライエリアでのブレーキの掛かり方が素晴らしく、このポイントが深い入射角度を実現しているように思います。
最初に投げてみた感想としては、予想よりも曲り幅は控えめだったという点が最も印象強く残っています。オイルキャッチは良い、転がっている感触も抜群、曲がり幅は投球前に抱いていたイメージが大きく曲がるとして考えすぎていたのでしょう。
このギャップにドリル直後は戸惑いましたが、投球していくにつれ曲り幅のイメージがアジャストできるようになり、高スコアが出せるようになってきたのは嬉しく感じています。
なによりも、
初代を超える入射角度により、最近の
ブランズウィック・ボールの中でもトップクラスにピンを弾く力が凄まじく、効果的に使える際においては無類に活躍してくれるのではないかと期待が膨らんでいます。
これから始まるトーナメントなどにおいて必ず実績に結びつく武器となってくれることでしょう。所属センターである
博多スターレーン(ウッドレーン)で投球した際よりも他センター(プラスチックレーン)で投げた時の方が、更に他ボールとの比較を体感でき飛びの強さが際立ったように見ています。
これは仕方の無いことですが、最新ハイパフォーマンスボールはやはりプラスチックレーンに主たる視野をおき開発されているからとしか言えません。朝一のオイルがあり、メリハリの利いたフレッシュなパターンでの投球で真価が出るスペックの為、競技大会に参加する機会の多いボウラーや最新ボールの優れたパフォーマンスを体感してみたい方は是非お試しいただきたく思います。
ここで、
サンブリッジ契約男子プロスタッフより「アルティメット・ニルバーナ™」のレビューと今期の目標を語っていただきましたのでご紹介いたします。
1人目は今期シードプロの
呉竹博之プロ(43期・1070:
ボウルポップス・プロショップ)です。
第一印象は、予想に反してオイル上でスキッドするなと思いました。
前作のイメージがあった為、もっと過激なボールになっていると想像していました。軌道の落ち着き具合が意外だったものの、操縦性は抜群で何よりピンアクションがエグかったですね。まるで爆弾で吹っ飛ばしたかのように一瞬でピンが無くなるんですわ。
今までとは明らかに違うピンアクションの音色が素晴らしく、特に薄めのピンアクションは最高!これは奥に押し込む力の強さによって成り立っており、その結果が今作のピンアクションを生み出しているのでしょう。ピンが本当によく絡みます(^_^)
投球ラインとしては、色々と試してみましたが板目を多く使うよりも、タイト目に攻めて入射角度をあまり付け過ぎないくらいが良く倒れてくれているように思います。
前作は強いソリッドカバーでしたのでオイルを使いにいくラインを取る必要がありましたが、ハイブリッドカバーの今作ではオイルの境目を沿わす使い方ができて、幅広いレーンコンディションへ対応できる汎用性の高いボールに仕上がっていますね!
今年の目標は、永久A級ライセンス
※1
取得がかかった重要な一年なので、ケアをしっかりしてgoodなコンディションにてトーナメントに挑みたいと思います!
勿論、チャンスがあれば「コカ・コーラカップ・2013・千葉オープン」以来の2勝目を狙います!皆さん応援宜しくお願いしますね!
いかがですか?
呉竹プロも私同様に、
初代のイメージからすると、意外に曲り幅は控えめに捉えているようでしたが、ピンアクションの凄さとコントロールし易さから高いスコアを狙っていけるボールと太鼓判いただきました。
さて、続いて2人目は、昨年ランキング51位(男子シード権は上位48位)と惜しくもシード権を逃し今期の逆襲を誓う同郷の
山上英章プロ(51期・1272:
スポルト福岡)より同様にコメントをいただきましたのでご紹介いたします。
今回「アルティメット・ニルバーナ™」を投球した際の第一印象は、曲り幅の大きさと曲りの強さに驚きました。レーン手前からの転がり感は
前作同様に抜群で、回転数の少ない私の球質でも十分な入射角度を得ることができました。
オイルを感じる長めのコンディションでは沿わすこともでき、幅を取らないといけない場面でもしっかりと戻ってくる安心感もあります。大きな出し戻しのラインを好む方、曲がりが足りずにお困りの方に絶対お勧めです!投球していると、周囲の会員さんらから絶賛のコメントを多数頂戴する程でした。1人でも多くの方にこの音を聴いてもらいたいです。
そして、今期の目標は「気持ちを込めてしっかりと」投げ抜き「2014・中日杯東海オープンボウリングトーナメント」以来の2勝目を目指します!
二名の人気プロボウラーによる「アルティメット・ニルバーナ™」のコメント有難うございます。今作のコンセプトでもある「闘う鼓動が聞こえる。」の通りに、お二人の勝利への意気込みは伝わりましたでしょうか。
勿論、両名だけでなく
サンブリッジ契約プロスタッフ皆への暖かいご声援をお待ちしております。
※2
コメントを読み興味深いのは、球質や投球環境に個人の感じ方で大きくパフォーマンスイメージは異なってくるという点です。
どちらかと言うと、多少板目を使用し、ループさせる
呉竹プロと、板目をよりタイトに攻めることを得意とする
山上プロですので、
レーン攻略の際に視えているポジションの違いなど、互いにトッププロならではの感想を述べていただけたものと思います。双方に共通して言えるのは、ピンアクションの良さと操作性の高さでしょうか。
前作が好きな方は勿論、より手前の滑りとピン側での曲り出しを求める方に大変おすすめできる新商材ということは間違いありません。
今作の表面番手は#500
マイクロパッド→
#4000です。目は多少細かいものの、やや曇った状態でのリリースとなります。曲がる球ならば
初代を投球したい私にとっては差を出す為にも、ツヤ出し加工を施した状態で投球しています。
プラスチックレーンであれば、箱出でも十分なスキッドを確保できてキャリーダウンにも対応し易いでしょう。全体的にアーク状な軌道を好む方は#1000
マイクロパッド〜
#2000程度に仕上げておけばオイルキャッチ力が高まり滑り感の無い形状を得ることも可能です。
ドリルレイアウトは
「55°×
4・5/
8×
45°」で中指と薬指の指穴間の真上にピンを配置し、
これは比較投球にも用いた初代・
ニルバーナ™と全く同様の
レイアウトになります。
自身であまり転がすことが苦手なボウラーであれば、より早く曲がりを体感できるようなレイアウトもお勧めで、先の曲りを強調するか緩やかな軌道を求めるかでピンアップorピンダウンを調節してみてください。
今回の比較では分かり易く差が見えるように「アルティメット・ニルバーナ™」と
ニルバーナ™を、
同じレイアウトと表面番手にした上で、比較投球を行いました。
すると、想像以上にレーン手前からミッドエリアでのキャッチ力に違いを感じました。私はボールスピードが速い方ですので、引き立ての44フィートでは
初代の方がより強くブレーキが掛かり投げ易かったのですが、一般的なボールスピードの方々にとっては今作のスペックの方が垂れにくく深いバックエンドリアクションを感じられるように思います。
キャリーダウンに対して影響を受ける部分があるので、板目を広げての投球からタイトなラインにおいてもコンディション次第で投球可能でしょう。ピン側での曲りでは、
初代がレーン中間より曲がり込む形状に対し「アルティメット・ニルバーナ™」は更に奥より力強くフックしてくれます。
私のイメージではバーコード状に荒れたコンディションでは
ニルバーナ™が、よりフレッシュでメリハリのある状況では「アルティメット・ニルバーナ™」の方が的確に使用できそうな気がします。
ピンアクションの強さではどちらも魅力的ですが、強いて言えばポケットへの角度が少し甘いかなという際の飛びは今作が格段に優れていることを確認できました。
米国でも多くのセールスを達成している状況の今作は、国内においても多くの愛用者が続々と誕生しています。完売必至の注目作を手にし、個性を活かした使用をされてください。最後までお付き合いくださいまして有難うございました。それでは、また次回の
レビューでお会いしましょう!
執筆後記
サンブリッジが力強く推している大注目作がここに誕生です。米国
ブランズウィックが保有する技術を惜しみなく注ぎ実現したハイパフォーマンスボールで「闘う鼓動」を聴きましょう!
このピンキャリーにきっと驚き、益々の
ブランズウィックファンになっていただけることは間違いありません。
※1
男子で年間公認ゲーム200G・210アベレージ以上またはシード権のどちらかを、5年連続達成されたプロボウラーが取得できるもので、ユニフォームに付けている赤色のJPBAプロワッペンの縁取りが、ゴールドへ変わります。
※2
今期は私も数試合に出場する予定です☆
今回のドリルレイアウト
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