第46回
2015年9月21日更新
こんにちは。プロボウラーの
逸見正晃です。暑い夏がようやく終わり、スポーツの秋が到来です。そのような中、今月もサンブリッジ取扱いボールは真夏のような熱さを秘めていますよ!
どれも特徴があり、いずれも投げたくなる優れものばかりが集まりました。まずは「ネクサス™・プロV」から紹介してまいります。久々の登場ですが、既にネクサス™ファンによる喜びの声を多数聞いています。
シリーズの代名詞とも言うべき抜群の転がりと、進化したカバーストックで、走りと強力なバックエンドリアクションを宿した「新生・ネクサス™」から目が離せません。私も即戦力として、早くもお気に入りの一つとなった今作をできる限り、分かり易くお伝えしたいと思います。
それでは、第46回
ストライクレビュー「ネクサス™・プロV」編をどうぞ!
55°
×
4・5
/
8
×
45°・ピンアップセンター位置にピンを配置・BH無し
博多スターレーン(ウッドレーン)
42フィートのクラウンコンディション
30.6
ml
カストディアンプラス
42°
今月発売ボールで、第一弾のレビュー対象は2年振りに完全復活となります「ネクサス™・プロV」です。ネクサス™の発売は私を含めて、待ちわびていたボウラーは数多いことでしょう。
ブランズウィックが誇る人気シリーズがサンブリッジへのラブコールによって再びレーンへと蘇りました。
ネクサス™シリーズと言えば、アグレッシブなバックエンドリアクションと手前からの強烈な転がりにより生まれる鋭いエントリーアングルが特徴です。今作もその系譜を継承し2015年モデルとして、過去作品を超えるスペックを手に入れ市場に投入されました。
カバーストックは今流行りの新素材カバーではないものの、初代・
ネクサス™ ƒ(P+
F)に新しい添加剤を加えて誕生した「アダプティブ・プレミアムソリッド」を採用しており、Xマークが4つへ増えたことからも強さへの自信は決して侮れません。
さて、この「ネクサス™・プロV」をご覧になるとお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、今作は「ブラック・ゴールド・パープル」のトリプルカラーとなっており、非常に鮮やかで力強さを感じさせてくれるようなカラーリングです。
ソリッドカバーですが、ゴールドカラーには微量にパールが混入する特徴から、見た目では「ブラック・パープルソリッド」と「ゴールドパール」のような印象です。
しかしながら、今回の配色によるこの印象は、実際に投球してわかるスキッド感とピン前で一気に加速するバックエンドリアクションへと繋がっているものと思います。
前作の400個限定生産で注目を集めた
「ネクサス・プレミアムソリッド」を遥かに超えるアグレッシブなパフォーマンスは、
カバーストックの進化や当時には無かった
ロイヤルコンパウンドや
ロイヤルシャインといった微細研磨剤の登場によるものでしょう。
カバーストックの特徴を挙げるならば、オイル吸収力の高さで決まりです。瞬時にオイルを吸着しながらレーンを進みパフォーマンスを生みだす為、軌道のブレが少なくメリハリある動きをキープしてくれます。
表面が復元する「たまねぎ」新素材カバーのオイル吸収力は比較的強くなく、若干ボール表面に残るようなイメージがあり、研磨加工をすることで長時間良いパフォーマンスを得られる仕組みになっており、ボウラーの好みでセレクトしても良いのではないでしょうか。
私が「ネクサス™」を通じて特記したいのは、
数あるコアの中においても特に優れた転がりと傾き性能を誇る
「ネクサスローターコア」の存在です。
同シリーズには並行して発売されてきた「ネクサスアローヘッドコア」もありますが、数値からも分かるように素早い転がり感を得たい方は間違いなくこちらの
コアをお勧めいたします。
自身の投球が変わったのではないかと感じられるほどに豊かなローリングは貴方を魅了してくれるはずです。
ブランズウィックが展開する
コアデザインのうち、非常に早い転がりを示すのは「マスターマインド™」や「オーラ™」シリーズに、この「ネクサス™」シリーズだと思います。
それほどにこの
コアはレーン上での転がりを重視するボウラーに抜群の相性をもたらしてくれます。
そして、今作に惹かれるポイントが「アダプティブ・プレミアムソリッド」カバーと
「ネクサスローターコア」のマッチングの良さです。オイル上では転がりつつも直進してくれる為、更にバックエンドでのパフォーマンスが強調して映ります。
サンブリッジ社の動画チャンネルで人気の
「江頭インプレッション!」の中でも「パワーを溜めて一気に放出するかのような動き」といったコメントがありますように、強さと鋭さを秘めた仕様です。
私の投球感想としましては先程から述べているように、久々の「ネクサス™」らしい転がり感に、昨今の
ブランズウィックの強さを示すメリハリある反応の良さが「素晴らしい」の一言でした。
ドリル仕立てでこれほど刺激を受ける球はそんなに多くはありませんが、このボールは様々な期待を持たせてくれるような印象を味わいました。
攻め所としてはアウトサイドからディープインサイドまで幅広い対応を見せますが、私はタイトなラインよりも、寧ろ板目を使っての投球がこのボールらしさを体感できるのではないかと思います。
回転を抑えた投球ではアウトサイドからの投球においても勝手に曲がるため、回転力が不足気味の方にはそうした投球に適しており、ストローカー以上の球質者にはインサイドから入射角度を大きく得る為に使用するほうが向いているように感じられました。
ドライゾーンでの反応が優れているので、ショートオイル等の反応が激しい場面ではボールの制御が難しく、コントロール面では扱い辛いという部分もあるかもしれません。
ボールが目的地まで楽に進んでくれる状態での使用が最も有効で強引な攻め方に用いるよりも、そうした使い方を心掛けていただけると大変頼もしいボールとなり、高スコアの手助けになることは間違いありません。
転がりが早いということは、本来ボール自体は手前からの動き出しをしようとしますが、カバーストックの影響もあり適度なスキッドは得られます。
それでも手前からの過剰な反応を示してしまう場合には全体のオイル量が薄くなっている現象ですので、摩擦の低いカバーストックを使用した球かコアスペックを控えめに設計したものを使用すると良いでしょう。
表面仕上げは、箱出で#500
マイクロパッド→
ロイヤルコンパウンド→
ロイヤルシャイン仕上げです。
綺麗なポリッシュ仕上げで男女問わず、見た目でも格好良いとの高い評価を得ているほどです。スピードと回転力でスピードが勝る選手にはややスキッドが長いというコメントを聞いているので、そうした場合には#2000程度で表面のツヤを落としてあげると強いレーンキャッチ力を得られ、メリハリを残すならば#4000
マイクロパッド仕上げまで番手を上げておくことも有効です。
コアが強い為にあまり荒い番手仕様にした場合にはレーン手前でフックし過ぎてバックエンドでの動きが見えづらくなる可能性があるので、使用する場面を考慮してチューンナップすると良いでしょう。ちなみに、私はこのボールはトラック上の摩耗分をポリッシュしながら使用していくつもりです。
今回のドリルレイアウトはシンプルに
「55°×
4・5/
8×
45°」とし中指と薬指の間位置のピンアップレイアウトです。
これ以上VAL角を小さくし、ピンアップ具合を強めると過敏になりすぎそうな感じがした為、指穴そばにドリルしています。
これは、今は無いお気に入りボールの
ネクサス™ ƒ(P+
R)パール(ブラック・シルバーカラー)と
同レイアウトになります。
当時のように、また大戦力となるボールに仕上がってほしいと願いを込めてドリルしましたが、結果は予想以上にヒットしています。もう一つ持っていたいと思わせてくれる水準の仕上がりですので、皆さんもきっとそのように感じられると思います。
今月はこの「ネクサス™・プロV」を含め、日本限定モデルが計3球登場いたします。
いずれも特徴がしっかりと出ていて尚且つ全てスコアメイクに富んだ素晴らしいボール達です。どれが良いのか悩む、贅沢な悩みとも言えますが、是非とも皆様にはニーズに沿ってこの最新ボール達を使いこなしていただければ幸いです。それでは、また次回の
レビューでお会いしましょう!
執筆後記
ブランズウィックが誇るネクサス™シリーズと言えば、やはりこの転がり、走り、キレ、飛び!このボールは買っておいて、損はしません!板目を使い、戻り感の強いボールをお探しの方にお勧めです。
今回のドリルレイアウト
レビューのバックナンバーを見る
逸見正晃プロのフェイスブック