日本未発売の初代は最もフックするボールのひとつであると言われ、且つ認められている中で「グル™・マイティ」は総合的に同様のフックを保ちながら更なるスキッドと、より強いバックエンドリカバリーを併せ持つことに成功しました。
第33回
2015年4月19日更新
こんにちは。プロボウラーの
逸見正晃です。開催間近となり、心待ちにしているボウラーの方も多数いらっしゃることでしょう。
4月23日木曜日
〜
26日日曜日にかけて、女子プロボウリング開幕戦
「2015宮崎プロアマオープントーナメント」が名門・
宮崎エースレーンにて開催されます。
華やかな女子ボウラー達の熱い戦いに是非、ご注目いただきたいところです。現在、九州唯一の
JPBA公式戦でもあり多くのギャラリーも駆けつけられることかと思います。
前回のチャンピオンはチーム・サンブリッジの
吉川朋絵プロ(38期・409:
大磯プリンスホテル・ボウリングセンター)が4年振り3勝目を達成いたしました。
今年も、本命となり活躍してくれるはず!楽しみにしましょう!九州の強豪アマチュアも参加し、盛り上がること間違いなしです!今大会も1月のサンシャインフェスティバル同様にユーストリーム配信が予定されています。詳細は
公益社団法人日本プロボウリング協会のホームページをご覧ください。
さて、今回紹介します新作ボールはとってもホットです!なぜなら、新ブランド取扱い第1弾となるニューボールだからです!
情報の早い皆様はご存知のとおり、サンブリッジ創立50周年の節目に
ブランズウィック、
DV8に続く第3のボールブランドとして
ラディカルの販売権を取得いたしました。
今回のピックアップボールは、その
ラディカルブランドのハイパフォーマンスボール、グル(日本未発売)の新作「グル™・マイティ」になります。初代・グルは近年最もフックするボールの一つという評価を得たほどのスペックを誇り、今作への注目度も当然高いものとなっています。
サンブリッジが満を持して販売を開始する
ラディカルブランドボールの第一弾とは、どのようなパフォーマンスを見せたのでしょうか?それでは、第33回ストライクレビュー「グル™・マイティ」編をどうぞ!
45°
×
4
×
30°・薬指真上位置ピン配置・バランスホールなし
博多スターレーン(ウッドレーン)
43フィートのクラウンコンディション
29.5
ml
カストディアンプラス
33°
米国内で注目を集めてきた
ラディカルブランドがサンブリッジ販売の元、いよいよ国内流通をスタートさせました。
米国
ブランズウィック工場にて生産される
ラディカルブランドのボールが注目される理由として、著名なボールデザイナーが在籍している所にあります。
優れたボールデザイナーと名高い権威
フィルカーディナル氏と
モーピネル氏のタッグにより開発される独特のパワーバランスは絶妙です。
かつて、モーリッチブランドが国内へ強烈なインパクトを与えたことは記憶に新しく、現在業界内で定着したマスバイアス(質量の偏り)を造語し、非対称コアを強く広めた人物こそ、社長を務めた
モーピネル氏になります。
この完全非対称コア独特のフックモーションこそ、同ブランドの真骨頂と言えます。
今回ご紹介する「グル™・マイティ」はシリーズ第2弾(第1弾の初代・グル・ブラックは国内未発売)となり、初代がソリッドベースカバーであったことに対し、ハイブリッドカバーを採用しています。
ラディカルは
ブランズウィックが誇るスロボット(自動投球マシン)による投球動画を数多く公開しています。
興味を引くのは、他ブランドの主力ボールとの比較動画をご覧いただくとはっきりとしています。今後、国内での新戦力として人気を集める日はそう遠くないと思います。
カバーストックには、シリーズのコンセプトである曲がり幅の大きさを残しつつ、ブレイクポイントをよりピン側へとシフトする為に開発されたハイブリッドカバーを採用しています。
このボールの特徴として、走るというよりは伸びるといった表現がマッチするかのような軌道具合を示し、ミッドエリアでの「タメ」からのバックエンドリアクションは
ブランズウィックや
DV8のそれとは一味違った軌道イメージを持つことができます。
ブランドコンセプトの捻じれるパフォーマンスを実現する為に必要不可欠な
コアデザインは、マスバイアスレート(0.018)が表すように、強力なフックモーションを生み出すアシメトリックコア(非対称)を初代同様に利用しています。
これらの組み合わせによって、大きなフックパワーと優れたパフォーマンスを得やすく、
ラディカルの驚きのスペックを感じることができるでしょう。
投球した印象としては、十分なオイルキャッチ力とストロングアーク軌道のフックモーションに思います。ハイブリッドカバーを採用している為か、ブレイクポイントは中間以降で、ドライエリアからしっかり食いこみ感のある曲りをイメージすることができました。
これまでのボールと大きく違いを感じるのは、ミッドエリアでのタメとピンに向かっていく強いエントリーアングルです。反応速度が物凄く早いタイプではなく、このタメが特有のパフォーマンスを生み出してくれているのだと思います。おそらく、このミッドエリアでもどんどん曲がるのがソリッドカバーの初代・グルなのでしょう。
手前からの強すぎるレーンキャッチ力を抑える為にブレンドしたハイブリッドカバーとなり「グル™・マイティ」は
ミディアムヘビー全般での活躍が見込めるボールです。
ウッドレーンでのテストでは、やや早めの立ち上がりを感じることが度々あり、普段使いには軽くポリッシュすることも有効です。
ピン側での動きが丸みを帯びて緩いと感じるボウラーは一度番手を粗く(#1000
マイクロパッド〜
#2000程度)削った上で、ポリッシュ加工を行うと丁度良いキャッチ具合と動きを求めやすくなるのではないでしょうか。
コアを強く回転させることで非常に大きなリアクションが得られる今作では、高回転ボウラーにはオイルゾーンを長く使って、板目を広げての投球にも適しています。
対してストローカーに関しては、回転方向に持続して寄ってくる動きが見えるはずです。ドリルレイアウトの違いを如実に表している
ラディカルのこだわりはとても強く、ボール箱に同封されるチャートにはドリル前と様々なレイアウトによるドリル後の数値変化が記載されています。
また、動画でもピンアップレイアウトとピンダウンレイアウトの違いを視覚的にわかりやすく提供してくれており、
ラディカル珠玉のこだわりをとても垣間見ることができます。
今作は第一弾の為、比較投球は挙げていませんが、
ブランズウィックの
エリアマックス™や
DV8の
サグ™・アンルーリーよりも早い立ち上がりを示しています。
全体のフック幅では、
エリアマックス™の方がはっきりとしたブレイクポイントが確認でき、戻り感が強く出るかなという具合です。
これらの中では
サグ™・アンルーリーが最も直進力が高く長い時間の使用も可能に思います。
「グル™・マイティ」は万人向けというよりも競技ボウラー向けの玄人的スペックに仕上がっており、大会出場をされるボウラーにとても重宝される仕上がりになっています。
今後、
ラディカルブランドのボールが市場に出る機会が増えてくると予想されますが、その波に一足早く反応してみてはいかがでしょうか?
自らをボウリングジャンキーと表現する程のボール開発のマニア達が作り上げた
同ブランドの最新作「グル™・マイティ」を是非、お試しください。それでは、また次回のストライクレビューでお会いしましょう!
執筆後記
遂に第3のボールブランド・
ラディカルがサンブリッジより新登場!個性豊かなボールパフォーマンスをいち早く体感されてみてはいかがでしょうか。フックモーションの違いがお勧めポイントです!
今回のドリルレイアウト
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