として、日本に再登場いたします。
2013年当時のカバーストック(オプティマム・フックソリッド)にさらなるトラクション効果を付け、最新のカバーストックになって再デビューを果たす「パラノーマル・オーラ™・2015」。
ミッドからドライゾーンでのトラクション効果を、添加剤の組み合わせで再構築した「オプティマムプラス・ソリッドリアクティブ」が、
第35回
2015年5月8日更新
こんにちは。プロボウラーの
逸見正晃です。今月最初にご紹介するボールは、あの名作「オーラ」シリーズの第2弾として登場、トーナメントボールとして大いに注目された
パラノーマル・オーラ™のアップデート版「パラノーマル・オーラ™・2015」です。
約2年の時を経て、復活を遂げたのには理由があります。パフォーマンスでユーザーを納得させられる自信作の登場です!是非、ご注目ください。それでは、第35回
ストライクレビュー「パラノーマル・オーラ™・2015」編をどうぞ!
40°
×
3・3
/
4
×
45°・薬指穴内ピン配置・バランスホールあり
博多スターレーン(ウッドレーン)
43フィートのクラウンコンディション
29.5
ml
カストディアンプラス
33°
2015年5月、待ちに待ったあの「オーラ」シリーズが完全復活いたしました。今回、多くの名作を生み出した同シリーズより
パラノーマル・オーラ™(以下、初代)を選択、最先端加工技術による改良を施した「パラノーマル・オーラ™・2015」(以下、新・Pオーラ)としてリリースいたします。
同作と言えば、オイリーコンディションにおいても負けない力強さが売りのボールでしたが、そのイメージを損なわないこと、これが今作のコンセプトとなっています。
最初の「オーラ」リリースが2012年11月、2作目の
パラノーマル・オーラ™は2013年2月でしたので、実に約2年振りの復活となったわけですが、この間に
ブランズウィックは数多くの優れたカバーストックを開発してきました。
「フォルテラ」、「ザ・エッジ™」、「マスターマインド™」といった現在のハイパフォーマンスボールに負けない強力なボールにする為、ベースカバーの「オプティマム・フックソリッド」に
DV8の「サグ」シリーズに使用し実績と評価を得た「クラス13カバーの特殊添加剤」を加えた新たなカバーストックとなる「オプティマムプラス・ソリッドリアクティブ」を作り上げました。
元々がオイリーコンディションに適したスペックでしたが、この新カバーの優れた摩擦効果と「オーラ」シリーズの代名詞でもある
「オーラプラス・ウルトラ低・RGコア」の抜群の転がり感と安定感とが組み合わさり、バージョンアップされたのが今作「新・Pオーラ」なのです。
私は「オーラ」シリーズや「スィージ」シリーズの
コアが大好きで、今年に入り、
エリアマックス™では「スィージ」に使用されてきた
M.A.C.E.™・中・RGコア、そして、今作のおかげで再び「オーラ」コアを投球できることに感激している次第です。
投球した印象としまして、
初代を凌駕するレーンキャッチ力と安定感に驚きを感じましたが、更に特筆すべきはバックエンドでの動きが強化されたことと、それに伴うピンキャリーが格段に向上している点です。
初代の軌道イメージはストロングアークで、シリーズ中で最もオイルに強い設計でしたので緩やかな印象を持っていましたが、今回の新型は見た目こそ同じ(ロゴカラーがシルバーからゴールドへ変更!)に仕上がっているものの、最近のシリーズに負けず劣らずどころか、オイリー対策に不可欠に感じるほどに頼もしい武器となってくれています。
投げていて気持ちが良いのは、RG:2.480が示す
「ウルトラ低・RGコア」の強さを体感できる「転がり」です。私が強いボールに求めるのはこの感触であり、この「新・Pオーラ」を手にしたボウラーの多くは他との違いを気付くはずです。
同クラスのコア数値を持つ看板シリーズ「マスターマインド™」はバックエンドでの捻じれを強調したコア形状ですから、動き方は非常にアグレッシブなのが特徴になりますが、この「新・Pオーラ」はより早い転がりを持ち、動き方はオイルを吸着しつつレーンを這う様に進みグイグイと曲がり込む感覚を持てます。
激しいのは「マスターマインド™」系でコントロールし易いのは「オーラ」系だろうと思います。投げていて安心感を得られるのは非常に重要な要素であり、これからトーナメントや競技コンディションといったオイリーパターンの機会に投球するボウラーが増えてくるのではないでしょうか。
初代が好きな方は勿論、しっかり転がり安定した軌道を描きピンヒットする曲がり系ボールをお探しのボウラーには抜群のスペックで間違いありません。
リーグやチャレンジマッチで投球していますが、素晴らしいピンキャリーやオイルに負けない力強いパフォーマンスはお客様方からも高い評価を得ており早い段階で市場にて認知されるようになるでしょう。
オイリー向けボールということで、当然ボールを直進させられるだけのオイルを必要とし、ロースピード・ボウラーには余程オイリーでない限りキャッチし過ぎるように思います。オイルの切れ目から急激な反応を起こすわけではない為、クラウンパターンでオイルの「キワ」を感じて投球できるボウラーにも大変お勧めしたいボールです。
オイルも多く、ややキャリーダウン気味のコンディションで使用した時には、他のボールではポケットめがけても2
-
4
-
5といった薄めの残ピン(※ 右投げ)が頻発しましたが、このボールはパワフルなフックモーションを描きポケットに吸い込まれていきました。
予想を超えるカバーと
コアのマッチングに是非、ご注目いただき、オイリー用のラインナップに組み込んでほしい一級品の仕上がりとなっています。
今回の表面仕上げは、#500
マイクロパッド→
#1000
→
ロイヤルコンパウンドですが、
表面の見た目はマット仕上げの様に見えます。表面の摩擦を保持する為に、トラック部分が白く摩耗してキャッチが弱くなってきた場合には、同程度の工程を加工することで摩擦力のキープが可能で、
マイクロパッドの使用によって微妙な差を作り出すこともできます。
ドリルレイアウトは
40°×
3・3/
4×
45°、
ピン位置はお気に入りの薬指穴内ですが、このコアの強さを発揮させる為にドリリングアングルを40°とし、強力なフックモーションを求めました。思い通りの強さが際立ち、オイルの中で、もしくはオイルに向かっての投球に適したボールとなっています。
PIN
〜
PAP間を3・3
/
4(50°)と最大に近いフレアを得ることで使う場面をはっきりと決めることができ、使用に対して悩みにくくしています。全体のオイルが少なくなると露骨に早めから立ち上がりだしてしまうので、使わないことへの迷いを払拭できます。
今回、この「新・Pオーラ」との比較に用いたのは、同じく日本向けの限定ボールである
エリアマックス™です。
日本市場を考慮した曲がり系ボールの
エリアマックス™は、フォルテラ系のソリッドカバーにミッドエリア以降のリカバリーを追及した
M.A.C.E.™・中・RGコアとの組み合わせで、意外にスムーズなスキッドレベルに、ドライエリアから転がりと切れが飛躍的に伸びる高性能ボールとして人気を得ています。
まず、両者の比較でどちらが曲がるのか。オイルパターンにも寄る部分はありますが「新・Pオーラ」が立ち位置で3
〜
5枚は楽に内側から投球することが可能です。
事実、オイリーパターンで投球した際、内側の1番ピン側へのラインは非常に早かったので、
エリアマックス™でも入りが甘くなる程でした。そのラインを「新・Pオーラ」では難なく曲がりきります。これだけでとてもフックポテンシャルに優れたボールだと伝わるはずです。
ゲームが進むにつれて、必ずオイルは減少しますが、手前が剥げてくると
エリアマックス™の方が直進力や軌道にシャープさがあり、投げやすい時間帯は広い印象です。
ボールスピードがミディアム程度ならば
エリアマックス™は十分オイリー対策に向きますが、ハイスピードボウラーや回転数が不足気味の方には「新・Pオーラ」の方が使いやすいでしょう。
どちらもピンキャリーも良く、今の
ブランズウィック・クオリティを体感する丁度良い機会に思います。すでに、2個目を所持しておきたくて仕方がないとさえ感じさせてくれる「新・Pオーラ」ですが、この良さの続きは皆さんご自身でお確かめください。
それでは、また次回の
レビューでお会いしましょう!予定では、期待大の第3のブランド・
ラディカルより、スタンダードなミッドプライス帯として新登場
「ラックアタック™・ソリッド」&
「ラックアタック™・パール」となっています。お楽しみに!
執筆後記
近年の
ブランズウィックを支えたオーラシリーズでも高い人気の
初代が国内限定復活!
ただのリメイクではない、最先端技術を施し、オイリーパターン攻略に必携の頼れる味方の登場です。この転がり、飛び、曲がりはクセになるほどです!
今回のドリルレイアウト
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