ハウスコンディションの違いやレーンコンディションの変化に合わせてのチョイス、また、ボウラーのボールスピードによっても、マッチし易いボールとしてデビューいたします!
第36回
2015年5月13日更新
こんにちは。プロボウラーの
逸見正晃です。
パラノーマル・オーラ™・2015に続く今月の紹介ボールは、
ラディカルブランドよりお求め易いスタンダードラインに新商品が登場です。
リーグボウラーやハウスコンディション攻略を主な視野に入れた、とても馴染みやすいスペックで登場の「ラックアタック™・パール&ソリッド」。カバーストックの違いにより2種類(パールカバーのチェリー、ソリッドカバーのグレープ)が発売になります。
親しみやすいリアクションで
ラディカルブランドの「らしさ」を感じて欲しいと思います。それでは、第36回
ストライクレビュー「ラックアタック™・パール&ソリッド」編をどうぞ!
60°
×
4・5
/
8
×
45°・中指・薬指の間ピンアップ配置
60°
×
4・5
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8
×
45°・中指・薬指の間ピンアップ配置
博多スターレーン(ウッドレーン)
43フィートのクラウンコンディション
29.5
ml
カストディアンプラス
33°
サンブリッジが米国
ラディカルブランドボールの日本代理店となり、まだ日は浅いものの、記念すべき第一弾に輸入した
グル™・マイティは強力なマスバイアスパワーがもたらすフックポテンシャルに契約プロからも厚い支持を集めています。
シンプルなデザインのボールから
複雑な非対称コアまで、
コアのポテンシャルを引き出す開発力は今後益々注目されていくことでしょう。
その中で、ブランドのコンセプトを親しみやすく商品化したボールが、正に今回紹介させていただく「ラックアタック™・パール&ソリッド」になります。
鮮やかな赤色のパールカバーバージョンと、ボウリングボールの伝統的カラーでもあるシックな紫色のソリッドカバーバージョンの2種類が同時にお披露目です。
最近のハイパフォーマンス帯とはまた一味違い、コンパクトなリアクションの二つは高回転ボウラー、スピード不足の方やシニアボウラー、レディースボウラーを中心に幅広いユーザー向けとして作られています。
カバーストックには、それぞれ「アタックソリッドリアクティブ」と
「アタックパールリアクティブ」という低摩擦カバーを採用しており、両者の違いがしっかりと表現されている所が特徴と言えます。
非常にクリーンな直進力を生み出すパールカバーと、スムーズで緩やかな軌道を描くソリッドカバーはボウラーの球種や軌道の好みで選択していただければ良いでしょう。
また、
コアには2種類とも同型の
「ライトバルブコア・通称:電球コア」を選択し、安定した転がり感とシンプルな軌道イメージが体感できるようになっています。
RG Min数値:2.518・ΔRG数値:0.024のコア数値が示すとおり、心地よい転がり感と、非常にフレア幅を抑えた比重設計となっており、曲り度合は小さめでオイル量が薄めのパターンやドライゾーンがハッキリとしている状況下での投球に適しています。
オイルの伸びには双方敏感で、長さを感じる場合にはスキッドし過ぎる傾向にある為、ミディアムヘビー以上のオイルボリュームでは高回転ボウラーを除きピンキャリーに不安な面が見えます。ただし、オイリー向けの高摩擦ボールが早い段階でレーンキャッチしすぎてピン前がぼやけてしまう場合には今作はとても役立ちます。
二つの使い方による違いとしては、
チェリーパールは薄いオイルを辿る必要があるかと思います。ドライゾーンでの反応は中々良く、そうした際のピンアクションはこの価格帯では十分な評価を出せますし、ロールアウトしにくさはその他を格段に超えています。
また、初速不足のボウラーに朗報で、このボールはレーン手前の加速感が非常に感じやすくスピードがアップする程に爽快なスキッドを得られるのが最大のポイントです。
グレープソリッドは、緩やかな軌道ながらリリース時のパワー次第で動きをコントロールし易くポケットにボールを集めることに優れたバランスの仕上がりを感じられます。
どちらかと言うと、やや懐かしい感覚のあるボールリアクションとも表現出来、投球希望ラインの外側がドライで内側がオイリーなパターンで特にポケットへの有効範囲が広く使い易さが頼もしくも思えます。
更に、曲がりが小さめなのを活かし、ゲーム後半のドライ気味なパターンやキレが激しいパターンにも有効に投球可能です。
私の投球した印象としては、融通の利きやすいグレープソリッドが好みで、派手さは無い分、全体の曲がりが読み易く、そうしたスペックのボールが欲しい方にマッチします。
比較的アウトサイドから投球が可能で、曲がりのコンパクトさを投球ラインによる入射角度で補ってくれるという具合です。少しずつオイルが枯れてくる分には対処が楽ですが、キャリーダウンが厳しくなると出番ではなくなる面があるので使うレーンコンディションの見極めが最低限必要になってきます。
チェリーパールは抜群にスキッドエリアが長く、この初速の勢いはこれまでの
ブランズウィックグループのボールにあまり無かった水準で、ドライレーン用として大いに活躍してくれることでしょう。
こちらもキャリーダウンにはパープル以上に過敏な為、滑り過ぎてのタップが頻発しだすと大きく攻め所を変更する、もしくは他のボールにチェンジする必要があります。
表面仕上げは、
チェリーパールが#500
マイクロパッド→
ロイヤルコンパウンド→
ロイヤルシャインのハイポリッシュ仕上げでグレープソリッドは#500
→
#4000の細かなマット仕上げとなっています。
走りを追求した
チェリーパールは極力手前からの動きを抑え、スムーズな軌道ながらスキッドも得られるように#4000マット仕上げを施したグレープソリッドはコンセプトに大変マッチしたバランスボールです。
ドリルレイアウトは、両者の比較を把握しやすくする為に、双方
「60°×
4・5/
8×
45°」で私のPAPでは丁度、中指と薬指の間、ピンアップレイアウトとなります。
比較的長めの直進力を求め、早い段階でのリアクションを敬遠したレイアウトイメージです。元から直進力がしっかりとある二つですが、強調することでラインナップのドライ担当を的確にカバーすることが目的としドリルいたしました。
同価格帯で超希少数入荷ボールとして紹介しました
グリースモンキー™・ワックも薄めのコンディションに適していますが、今作の二つとも、更にドライレーンに向くスペックとなっています。
その証拠に、グレープソリッドでジャストストライクのラインを各種投球したら、
チェリーパールではスキッドしすぎて薄めのヒット、
グリースモンキー™・ワックではバックエンドで動きが大きく反応し厚めのヒットという結果になりました。
高回転の方やロースピードボウラーには、やや反応が早く、ドライ向けとしては「ラックアタック™・パール&ソリッド」の方がよりコントロールし易さがあると思います。
シンプルさをとことん追求する
ラディカルブランドのスタンダードボール、曲がりが豊かなオイルレスパターンで非常に役立ちます。曲り系の
グル™・マイティから直進力の「ラックアタック™」と、すでにラインナップに組み込むべきボールが発売になり、期待通りの評価で益々楽しみなブランドです。
ブランズウィックグループの一翼として、
ブランズウィック・
DV8のファンの方は勿論、まだ投げたことの無いボウラーも是非、一度お試しください。それでは、また次回のレビューでお会いしましょう!
執筆後記
ラディカルより、ハウスコンディションやリーグボウラーをターゲットにしたコントロールボールが登場です。緩やかなアーク状の動きが特徴のグレープソリッドと、爽快な直進力が特徴の
チェリーパールにご注目ください。
今回のドリルレイアウト
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