第20回
2014年11月28日更新
こんにちは、プロボウラーの
逸見正晃です。段々と年の瀬が近づいてきましたね。各地ではイルミネーションの点灯が目立ち年末を感じる時期になってまいりました。
各ボウリング場においても、ボウラーの皆様を満足させるイベントが多数企画されていることと思います。今年の終盤を良い気持ちで終えられますように祈念申し上げます。
プロボウリングもランキングが決定する大切なトーナメントが目白押しになります。男子の最終戦の
「HANDA CUP 第48回全日本プロボウリング選手権大会」(11月27日
〜
29日)に、
女子は
「HANDA CUP 第46回全日本女子プロボウリング選手権大会」(12月11日
〜
13日)と
「第37回JLBCクィーンズオープンプリンスカップ」(12月18日
〜
21日)で、今期のランキングが確定致します。
皆様、プロボウラーの熱き戦いにご注目くださいませ。さて、今回ご紹介するボールは、
DV8ブランドよりハイスペック帯として登場した「DV8・サグ™」です。
初採用の新しい
「クラス13Fリアクティブ」カバーの強さをお伝えできればと思っています。それでは、第20回を迎えた
ストライクレビュー「サグ™」編をどうぞ!
50°
×
4・5
/
8
×
40°・グリップセンターにピンアップ配置
バランスホールはVALライン上のPAPより下へ2・1
/
4にドリル。
45°
×
3・3
/
4
×
50°・薬指位置にピン配置
バランスホールはVALライン上のPAPより下へ2・1
/
4にドリル。
博多スターレーン(ウッドレーン)
40フィートのクラウンコンディション
30.1
ml
カストディアンプラス
42°
今年は
ブランド誕生より3年の月日が経ち、開発が進む
DV8。画期的なデザイン性と若者を視野に入れたコンセプトを持ち、ファンを楽しませてくれています。
昔ながらの王道を行く
ブランズウィックとは対照的に革新的な路線を進む
同ブランド。
現状、両ブランドの国内シェアはネームバリューも影響し、どうしても
ブランズウィックが圧倒的に展開しているのが実情です。しかし、米国での興味は負けず劣らず、
DV8の新作は大きく注目されています。
近年、万人向けにシャープなリアクションを追求して実績を伸ばしている
ブランズウィックに比べて、全体的にアーク状な動きが印象強い
DV8という構図になっています。
今回の新作「サグ™」は、その特有のパフォーマンスに磨きをかけ、
ブランド初の
「クラス13Fリアクティブ」カバーを搭載し、強さを求めたスペックに仕上げました。
見た目よりもオイル上での安定感とキャッチ力に秀でており、強力なフックモーションが期待できます。これまでオイルで滑ってしまって動きを感じにくいと悩んでいたボウラーにお勧めしたいボールになります。
この「サグ™」に合わせて新たに開発された
「サグ・低・RG・コア」にも注目してください。
レーン後方に進むにつれて転がり感を体感できる仕様となり、強いピンキャリーを実現するポイントがこのカバーストックと
コアのマッチングによるものだと言えます。
回転方向へグイグイと曲り込むパフォーマンスが特徴の同ボールは、手前にオイルボリュームがある場面で非常に効果的な働きを示してくれます。
このレーンキャッチの良さは過去の
DV8にも無く、この3年間で新たなパフォーマンス領域に達したと紹介しても過言では無いでしょう。いつでも使えるオールラウンダーではありませんが、だからこそ強めのボールを求める際に選択して欲しいボールです。
投球した印象では、カバーストックと
コア双方が強いので、普段よりもややオイルゾーンを攻めるくらいの方が良い動き、ピンアクションを体感することができました。
オイルの薄いエリアを攻めるのではなく、オイルを使ってライン取りを行うのがこのボールの良さを引き出すコツになります。
また、多少のキャリーダウンにも負けない強さを得られるので、オイルの中で戦う状況でも安心して投球していただけます。実際には、オイルの際をタイトに攻めるよりも、オイルゾーンからフッキングポイントまで運んでラインイメージを持つ方が安定するようにも感じています。
スピードの無いボウラーには早い段階で曲りやすいので、使用する場合にはレーンコンディションによっての使い分けが重要になってくるでしょう。
今回のドリルレイアウトは
「50°×
4・5/
8×
40°」でドリルしました。私では中指と薬指の間上部にピンが位置し、マスバイアスは親指位置より少々右側といった具合になります。
適度な直進力となるべくシャープなパフォーマンスにしたいというのがレイアウトの意図です。予想よりもカバーストックの摩擦の良さを感じたので、走りを得たい方はPIN
〜
PAP距離をもう少し広げても十分強さを発揮するはずです。
表面仕上げは、#500
マイクロパッド→
ロイヤルコンパウンドとなっており、軽い光沢を感じられる見た目になっています。
テスト投球のコンディションはさほど早いレーンコンディションではありませんので、箱出だとやや早い立ち上がりとなってしまいました。レーン素材が硬いプラスティックレーンではこのくらいが丁度バランスが良いのかなとは思いましたが、ウッドレーンでの使用には再研磨し#4000ポリッシュにて投球しています。
オイル量が多く、クリーニングもはっきりしている状況では、#1000
マイクロパッド加工等が有効です。ボール配色にシルバーパールが含まれているのでポリッシュすると見た目がとても綺麗になるのは私的に大変気分が良い印象ですね。
今回の比較ボールは、同じくハイクラス帯の
ラッカス™・スキッツォです。こちらも鮮やかなグリーンカラーが特徴的なボールで
「クラス12パールカバー」を採用しています。
ハイブリッドカバーベースの「サグ™」に比べると、直進力を高めたスペックになります。コアも低・RG帯の「サグ™」に比べ、中・RG帯となり、レーン手前での動きを抑え中盤以降での動きを高める目的が読み取れます。
オイルを多めに使った投球では「サグ™」の曲り幅が大きく、落とし位置ではより内側から
ラッカス™・スキッツォの投球ラインを乗り越えることが可能でした。
反対に、オイルの薄いエリアでの投球では「サグ™」が早めに立ちあがり曲りが緩くなってしまったのに対し、
ラッカス™・スキッツォではバックエンドでの動きを感じることができ、良いピンキャリーを生み出してくれました。
つまり、スキッドエリアでのオイル量に敏感なイメージを持ちますので、落とし位置でのオイルの使い方に着目して投球して欲しいボールになります。
パワフルなパフォーマンスをコンセプトに開発された新しい
「クラス13Fリアクティブ」を纏った「サグ™」は
同ブランド中でも特に強さを求めた仕様です。
DV8のファンは勿論、ここからスタートを考えているボウラーも是非、ご期待ください!
執筆後記
ブランド最強の
「クラス13Fリアクティブ」を新採用した「サグ™」。強いレーンキャッチ力とパワフルなレスポンスは魅力的です。このボールはオイルを感じる状況下で頼もしい味方となってくれることでしょう!
今回のドリルレイアウト
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