第21回
2014年12月1日更新
こんにちは、プロボウラーの
逸見正晃です。本題の前に、このレビューをお読みいただいています皆様、早いもので
ストライクレビューも20作を超え、昨年11月にスタートをしましたのでちょうど1周年を迎えました。
これもご覧いただいています皆様のおかげだと思っております。これからも、少しでも皆様の参考になればと思い執筆させていただきます。
さて、今回ご紹介するボールは、
DV8ブランドより新シリーズ「フーリガン™」をピックアップ!ミッドスペック帯に定評のある
同ブランドの新戦力ボールです。
鮮やかなカラーリングと卓越したコントロール性能。そして「勝つ」ことを目指した新しい仲間にご注目ください。それでは、第21回
ストライクレビュー「フーリガン™」編をどうぞ!
75°
×
3・3
/
4
×
65°・薬指真下ピン配置
65°
×
4
×
45°・薬指位置ピン抜き
博多スターレーン(ウッドレーン)
40フィートのクラウンコンディション
30.1
ml
カストディアンプラス
42°
今月のサンブリッジ取扱ボールの新商品はなんと
DV8ブランド3球(
サグ™、フーリガン™、
アウトキャスト™)という、ブランドファンにはワクワク感満載ですね。
そして、
DV8得意のミディアムスペックに待望の新シリーズが登場しました。この「フーリガン™」は、摩擦を抑えたカバーストックとレーン中盤から後半でパワーを生み出せるように作られた
コアのマッチングから誕生しました。
これまでも、ミディアムスペック帯には
レックレス、
マローダー、
デュード™といった、どれもシンプルさが売りの投球し易いスペックとして位置づけられてきました。
使用頻度の高い一般的なミディアムコンディションに最適であり、日本人の平均的なスピードやパワーのボウラーにもお手軽に楽しんでいただけるように作られています。勿論、ハイパフォーマンス帯が暴れてしまい、コントロールが手に負えないというパワフルなボウラーにも曲りを読み易く、お勧めしたく思います。
この「フーリガン™」には、新たに開発されたカバーストック・
「クラス3Fリアクティブ」が採用されています。とても低めのカバー数値に配置されていますが、数値以上の安定感がありレーン手前での濃淡による影響はこのスペック帯では比較的少なく作られています。
必要以上に滑り過ぎず、過敏に反応しない所がイチオシポイントになります。敏感で鋭い反応を起こすボールは見た目も格好良く気持ち良いのは間違いありませんが、荒れたレーンコンディションやクリーニングが強いコンディション、つまりはポケットに運び辛い場面では寧ろマイナスに働くことも懸念しなければなりません。
ボウリング競技は如何にして効率よく、ポケットにボールを集められるかの競技ですから、このようにコントロール性能の高いボールというのは初級者から上級者までの多彩な融通をこなしてくれる所は見逃せません。
また「フーリガン™」の使い易さを実現するもう一つのポイントが
「フーリガンコア」と名付けられました新型コアになります。
以前からの
同価格帯のコアをアレンジした印象で、自然な転がり感を得られロールアウトしにくく作られているのが特徴になります。
手前からの早い回転を起こす仕様ではありませんので、そういったタイプをお求めのボウラーは是非、ハイスペック帯の新製品
サグ™をお試しください。
あくまで、ミディアム全般を対象としたスペックですので、大きく曲がるボールというイメージではありません。
毎月、多くのボウリングボールが市場に誕生しています。ボウリング場で問合せしていただくと、ボールスペックの情報は簡単に手に入れることができます。A4版でボールカタログと呼ばれるチラシにボール毎のカバーストック(表面素材)やコア形状など、どのようなボールを意図して製造されたのかがよくわかるようになっています。
勿論、ご覧いただいていますウェブサイト内でもボールスペックは確認していただくことが可能です。一応の目安として、どのようなオイルコンディションでの使用が適しているかの表記もありますから親切ですね。
オイリー・ミディアム・ドライとおおまかに分別した際にオイリー向きであれば高摩擦ボール、いわゆる曲り系でありドライ向きであれば低摩擦ボール、つまり小さな曲り系であると言えます。これは投球者の球質によって体感具合が異なるので参考に、という程度ですが何も知らないままでは勿体ないと思います。是非、活用してください。
私の投球したイメージでは、完全なドライ向きボールではないなと感じた所に着目していただきたいと思います。ドライ向き程の強烈な直進力は無く、レーン後方ではしっかりと方向転換を示してくれました。
ですから、あまり手前のオイルがドライ過ぎる場面では早い段階から曲り始めてしまうかなという印象です。当然、先にレビュー投稿しました
サグ™の様に強いスペックではありませんので、スムーズな動きを感じるレベルという程度になります。
オイル横方向の濃淡際をタイトに使うと薄めから厚めまでよくピンが絡んでくれましたので、シンプルに板目をあまり使わない投球が好きなプレイヤーにとても良いボールが作られたのではないでしょうか。色目も綺麗なレッドパール・イエローパールで女性ボウラーにもチョイスしてほしい1球です。
今回、対称型の
コアを採用した「フーリガン™」のドリルレイアウトは
「75°×
3・3/
4×
65°」の薬指真下あたりにピンを配置したものです。
多少立ち上がりを早めましたが、スムーズで読み易い曲りを目的とした為、上記のとおりシンプルな投球が効果的なボールに仕上がりました。
十分直進力の確保は可能とは思いますが、スピード不足気味のボウラーにはピンアップでのレイアウトの方が、よりピン側でのリアクションを感じるので投げ易いはずです。ロールアウトし辛いのでフォワードロールが強い方にも良く、サイドロールが強くても軌道のブレは少ないボールだと言えます。
表面仕上げは、箱出しで#500
マイクロパッド→
ロイヤルコンパウンド→
ロイヤルシャインとなっており、鮮やかなカラーが際立っています。
投球による表面の摩耗を定期的に研磨することで謳いどおりのパフォーマンスを体感し易く、お手入れも比較的楽な所はアマチュアボウラーにとって大切な要素かもしれません。
下地の#500
マイクロパッド加工による適度なキャッチが売りのボールですが、使用される場面でもし、直進力が不足していると感じた場合には下地を#2000程度まで引き上げてから再度ポリッシュ加工をすることでより長い滑りを得られるので必要だと思った方は是非、お試しください。
今回の投球比較ボールは、
同ブランドのミディアムスペック帯で私が重宝してきた
デュード™です。コア数値も酷似しており、ほぼ同価格帯ということでチョイス致しました。
デュード™はこれまでの
DV8の中で最速をコンセプトにリリースされたボールで、その目的どおり非常に長い直進力とコンパクトながら気持ちの良いキレが特徴のボールになります。
目的地まで楽に滑ってくれ、ドライエリアでははっきりとした動きを示してくれるのでゲーム後半に良く使用してきました。オイルが先まで流れて、バーコード状に散布された状況下では曲がりが不安定に感じピンキャリーが低下する所がありましたが「フーリガン™」は比較でオイルへの敏感さが軽減し、
全体に丸みのあるキレが特徴となることで、より精度良くポケットに集めやすくなったように感じます。また、
デュード™に比べてボール表面のオイル吸着度が向上している所は、カバーストックの進化によるものだと思います。
落とし位置でも
デュード™より2
〜
3枚程度は内側から投球でき、ブレイクポイントもやや手前という違いがあり、アウトサイドから攻めるのに特に適している曲り形状に感じられます。
この「フーリガン™」は、軽量の12ポンドから入手可能ですので、シニアボウラーやレディースボウラーといった、一般にタイト気味な投球を求めている方やスピードが少し遅めのボウラーにマッチします。
プロ選手も好んで使用している
DV8ブランドのミディアムスペック新作「フーリガン™」。是非、あなたの新しいボールラインナップにご検討ください。
執筆後記
シンプルさが特徴の
DV8得意のスペックに新作が登場。ポケットヒットの精度向上を手助けしてくれる親切仕様に作られています。コンパクトに「勝ち」にこだわるボウラーに手にしてほしいボールです。
今回のドリルレイアウト
レビューのバックナンバーを見る
逸見正晃プロのフェイスブック