第51回
2015年10月29日更新
こんにちは。プロボウラーの
逸見正晃です。
ご存知の方も多いでしょう!
前回ご紹介しておりました女子プロボウリング最高賞金(総額:¥15,080,000)を懸けた
「ROUND1 CUP Ladies 2015」(於:
ラウンドワン・南砂店)におきまして、
道産子アスリートこと
寺下智香プロ(47期・507:
SDエンターテイメント)が見事レギュラーツアー初優勝(通算2勝目)を果たしました!
ラウンドロビン進出は末席の12位通過としながらも勝負強さを発揮し、3位にて決勝ステップラダーへと進出!名だたる相手にも屈せず昨年手にした新人戦に続いての2勝目を獲得し、来期シード権と共に今期のポイントランキングも
同大会終了時で第5位と大器の片鱗を示しています。
男女ともに今期試合も残り僅かではありますが、チーム・サンブリッジへのご声援を宜しくお願い致します。なお、今大会の優勝・使用ボールは2015年11月に発売が決定した
DV8の新作、
サグ™・ライフと、
現在最強パフォーマンスで話題を集めている
ブランズウィックの
ニルバーナ™です。この結果を受け、更に注目度が増すことは必至ですので、お悩み中の方は是非、ご用命ください。
さて、そのような祝福モードの中で紹介します今回のレビューボールは、
DV8のスタンダードラインより最新作「フーリガン™・トーント」になります。
ハイパフォーマンスボールに注目が集まるのが常ですが、こうしたミディアム・スペックボールは使用する範囲も広く、ベンチマークボールとして優秀なアイテムが多いものです。シリーズとしては第2作目となる今作のポイントはどこにあるのか、今回も最後までどうぞお付き合いくださいませ。
それでは、第51回
ストライクレビュー「フーリガン™・トーント」編をどうぞ!
60°
×
4
×
30°・薬指真上位置ピン配置バランスホールなし
60°
×
4
×
30°・薬指真上位置ピン配置バランスホールなし
博多スターレーン(ウッドレーン)
42フィートのクラウンコンディション
30.6
ml
カストディアンプラス
42°
DV8ブランドのスタンダードラインが充実していく中、1年振りの復活でシリーズ第2弾「フーリガン™・トーント」が発売になりました。無難な軌道を描きコントロール性能に長けた部分がこのボールの特徴となりますが、
初代よりもややフック量が向上したことで、ハウスコンディション
〜
ショートオイルでも有効に活用することができます。
今回は久々となる
「クラス5Gパールリアクティブ」カバーを採用したことで、昨今のハイパフォーマンスボールとは一味違い、多少懐かしさを覚える動きを示してくれるでしょう。
パールカバーとし、手前のスキッドを長めることを狙っており、実際にスキッド感はあるものの、バックエンドでの反応の強さ、早さはあくまでミディアムスペック帯の為に形状としては丸みのあるモーションとなり加速する程の低摩擦というわけではありません。
だからこそ、ドライレーン用とするよりも、ミディアムコンディションからオイルがあり、長さが短めのショートオイルに対して有効に思います。キャリーダウンには流されてしまう部分を感じるのでクリーニングの利いたレーンコンディションがマッチするでしょう。
また、ホッケースティック状の急角度なボールの扱いが苦手なボウラーにとっては程よい曲がりと安定した入射角度を提供してくれるボールになります。スピードと回転のバランスに着目していただきたいのですが、スピード過多のタイプにはピン前での曲りがおとなしく感じられるので、そうしたタイプでの使用はオイルが短くドライエリアがはっきりとした状況下で投球を心掛けてみてください。
全般的にはレーンをコロコロと転がすシニアやレディースボウラーに適しているというのが一番の感想で、シビアな環境でのプレイを要求される競技者にとっては他のボールがポケットに集まりにくいような緊急事態において真価を体感することでしょう。
コアは
シリーズ特有の「フーリガン」対称コアを採用していますが、これは同シリーズだけではなく初の日本市場向け新素材ボールとして記憶にも新しい
アウトレイジ™・スナイパーにも使用されています。
本来はドライエリアからは一度グイッと曲り込む形状を生み出すコアに思いますが「フーリガン™・トーント」の軌道を考慮するとカバーストックによる影響が大きく感じられます。私の印象としましては、新素材カバーの登場以降、急激にパフォーマンスレベルが向上してきたこともあり、今作はとても軌道が読み易く、曲がり幅もコンパクトに思えました。
ヒッティングパワーはそれらと比較するとやや見劣りする部分はありますが、そうした曲り幅やレーンキャッチ力の強いボールが投球しにくい場面において、非常に役立てられる仕様ではないでしょうか。ドライゾーンでロールさせられるとコーナーピンまで良く倒れてくれる感覚ではありますが、
DV8らしくボールを転がせる方にお勧めしたい印象を持ちます。
ミッドエリアでの安定感から軌道イメージを立てやすい性能を持つ今作は、レーンコンディションを把握する為のベンチマークボールとしての位置づけにも適し、これを基にパフォーマンスの強弱を選択することも有効です。
表面仕上げは#500
マイクロパッド→
ロイヤルコンパウンド仕上げを採用。落とし位置にオイルを用いることでしっかり直進力を保持し、寄ってくるような曲りを示してくれます。
あまり鏡面仕上げまで番手を上げると、ハウスコンディションのように横方向に濃淡が深いパターンではフッキングポイントが不安定になってしまう可能性があります。横方向ではなく縦方向を考慮したショートパターンでは効果的で、そうした使い方にはぜひお試しいただきたい所です。
ドリルレイアウトは
「60°×
4×
30°」で、薬指の真上位置にピン配置という具合です。前回紹介した今回の比較対象ボール、
レイブ™も同様のレイアウトです。
同時期発売のボールという点と、価格帯も酷似しているという面から比較を試みましたが、全体的に
レイブ™がよりシャープ&コンパクトで「フーリガン™・トーント」がフック&アークな軌道を得られます。
この価格帯に求められるのは扱い易さであり、双方曲り形状に違いはあれども大変投球し易いボールになっています。スピードがあまり無く比較的板目を真っ直ぐ投球するならば
レイブ™のスキッドレベルは秀逸に思え、弓形に板目をループさせる投球を好むなら「フーリガン™・トーント」の方が戻り感は大きくなっています。
曲がり系ボールからコントロールに優れたボールまで、ブランズウィックグループの選択幅は勢いを増して拡大中です。この波に皆さんも触って体感してください。それでは、また
次回のレビューでお会いしましょう!
執筆後記
DV8の世界発売ボールでミディアムスペックの今作。過剰なアクションを抑えた使い勝手の良い曲りと、スタンダードシリーズらしいコントロール性能の高さがポイントです。レーンコンディションを探るベンチマークボールとして優秀な今作に是非、ご注目ください。
今回のドリルレイアウト
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