第50回
2015年10月23日更新
こんにちは。プロボウラーの
逸見正晃です。10月後半も、プロボウリングは男女ともに公式戦が開催されます。年末までもう間もなく、2015年度のツアーも最終が近づいて参りました。
まずは、国内女子最高額の賞金を懸けたビッグトーナメントの
「ROUND1 CUP Ladies 2015」が
ラウンドワン・南砂店にて10月21日水曜日
〜
24日土曜日で開催となります。
これが終わると、男子はシーズントライアルと「第49回全日本プロボウリング選手権大会」、女子は「第47回全日本女子プロボウリング選手権大会」と「第38回JLBCプリンスカップ」をもって、全てのランキングが確定することになります。
大注目の終盤戦、強力な武器を手にして勢いに乗るチーム・サンブリッジメンバーにもどうぞご声援を宜しくお願いいたします。
さて、記念すべき!?第50回目の
ストライクレビューにてご紹介いたしますのは、注目度アップ中の
ラディカルよりお得に使い易い最新作「レイブ™」となります。
輸入品の価格が高騰する中でも、嬉しい価格設定の今作はリーグボウラーやレディース・シニアボウラーにも大変お勧めな優等生です。デイリーコンディションで走りと切れを楽に得られるボールをお探しの方は朗報です。特にご注目くださいね!それでは、第50回
ストライクレビュー「レイブ™」編をどうぞ!
60°
×
4
×
30°・薬指真上位置ピン配置・バランスホールなし
60°
×
4
×
30°・薬指真上位置ピン配置・バランスホールなし
博多スターレーン(ウッドレーン)
42フィートのクラウンコンディション
30.6
ml
カストディアンプラス
42°
サンブリッジを代理店とし国内流通開始から日が浅い中、徐々に
ラディカルの認知が広がってきたように思えます。
それは「グル」シリーズに代表される、強力なフックモーションを描くハイパフォーマンスボールから、ブランドコンセプトであるリーグボウラー・ハウスコンディションを視野に入れた「使い勝手の良い扱い易さ」を表現したボールデザインが国内でも評価されだしたのでしょう。
今回、紹介いたします最新作の「レイブ™」は、その
ラディカルブランドのラインナップにおいても「EZ
-
Use(使い易いの意)シリーズ」に属する、正にデイリーコンディション向けで投げ易さを追求したボールです。
長めのスキッドレベルにドライゾーンからのコントロールし易いキレは、一般にハウスコンディションに提供される、全体のオイル量がさほど多くないパターンにおいて見事なまでに丁度良くフィットしてくれます。
決して曲り幅は大きくありませんが、
ラディカルブランドの特徴とも言えるカバーストックとコアのバランスがとても良くマッチしているのが印象的に映ります。
カバーストックについては記載がありませんが、2色のカラーリング「バーガンディ・シルバーパール」は共にパール配合でオイルレスな状況でもボールを楽に進ませることを目的とした設計になります。ドライ向けボールはおよそカバーストックとコア共に弱めのスペックを使用する傾向がありますが、
今作は転がりを感じられる
ラディカルお得意の
「スクープテクノロジー・シンメトリックコア」を採用したことで、レーン上での転がりを出しつつ、ピン側まで容易に直進してくれる抜群のバランスを実現してくれました。
私は個人的にも「レイブ™」のような融通が非常に利くボールがお気に入りで、ハウスコンディションでの投球では特に使用頻度が高く活躍中です。何よりも、コンディションの変化が察知し易く、対応もシンプルで済むというポイントは高く評価されるべき点でしょう。
ドライ向けボールの中ではとてもピンキャリーも良く、前作の
プリモ™同様に
ラディカルのボールはスコアメイクに長けたボールばかりですから皆様も是非、一度お試ししてみてください。
投球イメージとしましては、板目を真っ直ぐ投球する分にも適しており、外遅・中早のクラウンパターンにおいて多少の投球ミスでもポケットに集まってくれるかのような安定感を持ちます。これはハイパフォーマンスボールでは逆に感じにくい部分ですので「EZ
-
Useシリーズ」だなと認識させてくれるでしょう。
最も恩恵を受けやすいのは、あまりボールスピードの無いボウラーや高回転ボウラーでしょうか。使用するコンディション次第ではどのようなボウラーにも適する場面がある程に汎用性が高く思います。
スキッドボールですから、オイルを長く使うと反応する前にピンヒットする恐れがあるので、そうした際はオイルが薄い箇所に近づき、ボールの曲りを体感できるラインから攻めていくように心掛けてください。
表面仕上げは、#500
マイクロパッド→
ロイヤルコンパウンド仕上げを採用し、見た目にも綺麗でまとまりのある色調であり、多くの人々に受け入れられやすいカラーも長く愛用してもらう上で重要な要素の一つです。
今作は、元々が走りを強調したスペックですので、そうした場面やボウラーによる活用がセオリーですが、レーン上での滑りを調整する分で下地の番手を変えてみるのは有効に思います。ただ、あまり粗い番手での加工は本来の特徴を損なうことも予想されるので、基本はポリッシュにて使用されることをお勧めいたします。
そして、ドリルレイアウトは
「60°×
4×
30°」で、薬指の真上位置にピン配置という具合です。
また、比較に用いた
プリモ™も同様の
レイアウトを採用しております。投げ比べてみると、曲がり形状は良く似ていますが全体的に「レイブ™」がコンパクトな軌道を描きます。
これはハイブリッドカバーに、非常に転がり感のある
プリモ™に比べて直進力を求めたスペックの「レイブ™」らしく、よりミディアム以下のコンディションで秀でた使い方ができるようになっています。
フック幅こそ双方に差はありますが、ドライゾーンに入っての反応の速さは似ているように認識しています。これらは球速に応じてチョイスすると良いかもしれません。レーン手前のオイルによる影響が少ないのは「レイブ™」で、中間以降の影響が少ないのは
プリモ™といった具合でしょうか。
どちらもあまり板目を使わずに使用する方がマッチするボールですが、曲がり出す箇所の違いが一番分かり易い部分になります。
つまり、このことを利用しオイル状態に応じて二つを使い分けすることも適応範囲が広く有効です。同じラインを二つ投げ分けるだけでもかなりのゲーム数をシンプルに戦うことができて有利に働いてくれるでしょう。
ラディカルの使い易さはこうした所からも確認ができます。リーグやハウストーナメントを主戦場とされているボウラーさんは特に、要チェック!でお願いいたします。それでは、また次回の
レビューでお会いしましょう!
執筆後記
長めのスキッドに心地よい転がり感。コンパクトで読み易く調整が容易な優等生。ハウスパターンでの使用やゲーム後半向け対策にお勧めです。老若男女、幅広いボウリングに適しており大変投げ易いボール♪
今回のドリルレイアウト
レビューのバックナンバーを見る
逸見正晃プロのフェイスブック