を組み合わせて完成したのが、この「アウトレイジ™」です。
トラクションの強いカバーストックで起こりうる手前からの曲りを、今回採用したコアシステムがリカバーし、
第38回
2015年6月25日更新
こんにちは、プロボウラーの
逸見正晃です。ちょうどこの原稿を作成している時分、我々ボウリング業界に携わる人々に重大な活路となる可能性を秘めた、
オリンピック追加種目の第一次選考結果が発表となりました。
結果、見事「ボウリング」種目は1次審査を通過し、2015年9月末までには国内の推薦種目が決定いたします。来年の夏には正式追加種目が決定するとあり、関係者は勿論、ボウリング愛好家の皆様にも大きな話題となっていることでしょう。全国にボウリングの輪を広めることで、実現の可能性は高まります!皆様も熱いご声援をお願いいたします。
さて、今回ご紹介します新作ボールは、
DV8ブランドより日本限定発売ボール第2弾「アウトレイジ™」です。世界NO.2の市場規模を誇る日本を視野に開発された、いわば日本専用モデルとも言うべきOEMボール。
日本向け第1弾、
ダークナイト™に続いてのリリースとなりますが、今作のポイントとは何なのか。今回もじっくり最後までお付き合いくださると幸いです。それでは、第38回
ストライクレビュー「アウトレイジ™」編をどうぞ!
45°
×
4・1
/
8
×
30°・薬指真上位置にピン配置
45°
×
4・1
/
8
×
30°・薬指真上位置にピン配置
博多スターレーン(ウッドレーン)
43フィートのクラウンコンディション
29.5
ml
カストディアンプラス
33°
2015年、
DV8ブランドは進化し続けます。
サグ™・アンルーリーにも採用し、優れたオイルキャッチ力と安定したパフォーマンスを提供してくれる新カバーストック
「クラス13Gリアクティブ」が開発された以降、着実な成長を示しています。
同ブランド初の日本向け発売ボール、
ダークナイト™はメリハリのある曲り形状と飛躍的に改良されたピンアクション、更にブラック・パープルパールとの相性もマッチし素晴らしい評価を手にしています。
ダークナイト™に使用されたカバーストックはブランズウィックの人気シリーズ、
ザ・エッジ™の第2弾として登場、
プロボウリング公式戦優勝ボールとしても名高い
クール・エッジ™のそれをベースカバーとし、
サグ™・アンルーリーにも添加している特殊添加剤とを組み合わせたものです。
ボウリングボールのパフォーマンスを決定する要素として最も大きな要素を持つカバーストックの進化こそ、ボールの動きに直結し、非常に強い影響を及ぼすことは周知のことです。
そして、今回紹介する日本限定仕様の第2弾「アウトレイジ™」は、
サグ™・アンルーリーと同様に
「クラス13Gリアクティブ」カバーを採用しています。
現在、
DV8はこのカバーストックに大きな信頼を寄せており、パフォーマンスを求めるスペックボールに選択している状況です。
今作の開発コンセプトは、先述の高摩擦カバーストックを有効に活用すべく安定感に富んだ
「マローダーコア」を組み合わせ、手前からの過度な曲り出しを抑えミッドレーンでの強力なトラクション性能を生み出すことを掲げています。
こうしたことで、優れたキャッチ力を持つカバーを実用的な適合コンディションで使用できるようになりました。実際に投球しても、このコンセプトが活きた曲り形状を示し、オイルへの影響も比較的少なく投球が可能で、安定した投球ラインの確保が容易に組める所がセールスポイントと言えます。
前回レビューをアップしました
クリスタル・エッジ™が走りとバックエンドリアクションに優れたパフォーマンスで、ピン側での動きでレーンアジャスティングするのに対し、今作はレーン中間部でのグリップ力による動きでアジャストするイメージになります。
それは、ボールの曲り形状によるもので、ストロングアーク軌道を描く「アウトレイジ™」は、予め入射角度を保った状態でポケットへのライン調整を行うことで優れたピンアクションと精度が得やすくなります。
攻めるイメージとしては、オイルの段差を横切るよりもキワの内側から多少薄めの方向への投球がセオリーとなります。その際、オイルの厚いゾーンへの投球に対しては素直な曲りを見せ、ポケットヒットへの融通が良く利いてくれるのが特徴です。
ゲーム後半の手前が薄く枯れてきたコンディションで
ダークナイト™を好んで使用している私にとって、やはり日本向けボールの使い易さは魅力的です。
スキッド&スナップの
ダークナイト™にストロングアークの「アウトレイジ™」。ブランドファンにとって頼りになる仲間が加入したのではないかと思います。
表面仕上げは、#500
マイクロパッド→
ロイヤルコンパウンドとなっており、見た目以上にレーンキャッチ力が強いなという印象を受けました。
下地の番手が粗めということもあり、投球につれて生じる表面のくすみで曲りは大きくなっていくように思います。ポリッシュするとドライゾーンでの反応が早く鋭角になることから、スピードがあまり無いボウラーには軽く表面を加工すると良いでしょう。
ラインナップの一番上に据えるならば、定期的に
マイクロパッドによる研磨を行い常にフレッシュなオイルキャッチ力を保つことで優れた活躍を見せるはずです。
ドリルレイアウトは、今回の比較投球ボールである
サグ™・アンルーリー(非対称コア)と同様に、
45°×
4・1/
8×
30°の薬指真上位置にピンを配置するレイアウトです。
「アウトレイジ™」は対称コアの為、ピン位置のみでの比較となっています。オイル上を辿った方が使い易いと感じた為、やや早めの転がりを求めたということと、バックエンドではしっかりと反応してほしいという気持ちから選択してみました。
サンブリッジが紹介しているドリルレイアウト
「デュアルアングルレイアウト」のチャートはとても便利で活躍してくれますが、私はスピードや球筋、選択するボールがボウラーとマッチするかが最も大切な要素だと思っています。
ブランズウィックグループのボールは全般的に、ストローカータイプや、より回転が少な目のボウラーにおいてチャートよりもピン・PAP間を短めにレイアウトした方がボウラーのイメージに近いような印象です。
比較投球ボールが主戦力で使用し続けてきた
サグ™・アンルーリーでしたので、経年劣化によるでしょうが、手前のキャッチ感は真新しい「アウトレイジ™」の方が強く感じました。
バックエンドリアクションはお気に入りの
サグ™・アンルーリーが動きを感じ易かったのですが、これは使用につれロフトエリアの直進力が向上し、曲がり出しがよりピン側になっている為にも思えます。
強くリフトを起こすタイプには強力なスナップを生み出すことも可能ですが、一般にアーク状のボールはコントロール性能に長けており、バックエンドで急激に反応を起こすことが苦手なボウラーにとても有効なボールになります。
どちらも、カバーストックとコアの相性の良さから生まれるピン飛びの強さに優れ、スコアアップに役立つことでしょう。
日本限定ボールは基本的に追加入手ができないので、検討されている方はお早目にお願いいたします。是非、
DV8の進化をお楽しみいただければと思います。
それでは、また次回のレビュー(ブランズウィック:
ソウル™&
ソウル・メイト™を予定)でお会いしましょう!
執筆後記
DV8を支える
「クラス13Gリアクティブ」カバー搭載の日本限定モデル!使い易いのでベンチマークボールにお勧めです!
今回のドリルレイアウト
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