2015年7月、新たな歴史を大きく刻むことになった新世代カバーストック「コンポジット」。その「コンポジット」を搭載した第1弾モデルとして、発売直後に完売となったあの
が更なる進化を遂げて帰って来ました。
近年多様化するオイルパターンやレーンコンディションに細かく対応すべく新たなラインナップとして誕生した「バンダル™・ソリッド」は、
第59回
2016年2月3日更新
こんにちは。プロボウラーの
逸見正晃です。2016年もひと月が終わりましたが、皆様、いかがお過ごしでしょうか?1月には男子プロにとって新年最初のトーナメントである「シーズントライアル・ウィンターシリーズ」が全国4会場にて開催されました。
この大会はノーシードの選手にとって、公式戦の出場権を得るために実施されるものになります。入賞者には賞金と順位に応じたポイントが付与される為、来季シード権確保を目指す現シードプロも多数出場しているのも特徴です。
純粋に予選会として開催される女子プロの順位決定戦とは多少違った開催方式とされています。(以前は男子プロも順位決定戦として開催していました。)そして、4会場の一つである
イーグルボウル会場におきまして、
サンブリッジ契約プロスタッフの
太田隆昌プロ(37期・905:
宏榮ボウル)が見事優勝を果たし、2011年以来のシーズントライアル2勝目を獲得致しました!
使用ボールはDV8ブランド・2016年初荷ボールの「バンダル™・ソリッド」。早速プロ大会優勝を手助けした最新ボールはどのような仕上がりなのか。今回もご期待ください。それでは、第59回
ストライクレビュー「バンダル™・ソリッド」編をどうぞお楽しみください!
65°
×
3・7
/
8
×
53°・薬指穴内にピンを配置
65°
×
3・3
/
4
×
50°・P3位置にバランスホール
博多スターレーン(ウッドレーン)
42フィートのクラウンコンディション
30.6
ml
カストディアンプラス
42°
20年ぶりにベースカバーを根底から一新するという衝撃発表から早半年が経過し、通称・新素材系ボール達はいずれも様々な場面で活躍しています。その中でも、サンブリッジファン向けに不定期更新されているウェブアンケートの
「みんなで選ぶ年間ベストボール・2015」では、
多くのプロアマボウラーに愛用され、追加発注も数量不足状態すら続いている
ブランズウィックの
マスターマインド™・アインシュタイン(以下アインシュタイン)が見事1位を獲得し、ファンによる年間人気ランキングトップという偉業を成し遂げました。
次いで、昨年秋に登場した同じく
ブランズウィックの
ニルバーナ™がランクイン。ECSカバー(コンポジットの改良モデル)を初搭載した米国
ブランズウィックの新たな最高位モデルとして開発されたのが同作。
今後も展開されるべきシリーズなので、要注目の一球でしょう。そして、人気ランキングで見事第3位を勝ち取ったボールが
DV8ブランドより
バンダル™(以下初代)になります。
今までの流れでは、
ブランズウィックモデルのみで上位を独占という状況すら想像できましたが、ブランド創立より数年経過し、
DV8の浸透加減が垣間見ることができて、嬉しく感じている次第です。
このボールは、
アインシュタイン、
サグ™・コラプトと共に発表された元祖・新素材カバー搭載モデルで大きな注目を集めました。
他2種がハイブリッドカバーだったのに対し、唯一のパール系カバーという点も興味を持っていたのを覚えています。ミディアム全般でのしっかりしたレーンキャッチ力と優れたリカバリー、新素材系ならではのピンキャリーの強さと粘りある動きは今後の可能性を含め、特徴的に捉えられたと思います。
また、発表から現在までに新素材ボールの続編が次々と登場する中で、リリースが待たれているボールが残っていました。それが、今回ご紹介致します
DV8の「バンダル™・ソリッド」というわけです。
今作は日本オリジナル品となりますが、
初代との違いはカバーストックのみで、今回は初の「コンポジット・ソリッドリアクティブカバー」を採用しています。最近はソリッドベースのボールがやや多く感じられますが、摩擦力の強弱も様々なバランスタイプが多数流通していて、使いやすいボールとしてメインボールの主格ではないでしょうか。
今作もそうした、扱い勝手の良さがなんとも日本向けらしいスペックに仕上がっており、全体的に緩やかなカーブが印象的で前作よりもミッドレーンでの安定感は良く仕上がっています。
はっきりとした動きを求めるより、ポケットに吸い込まれていくかのような軌道を好むボウラーにお勧めで
「バンダル・低・RG・アシメトリック」の転がりの良さとの相性も抜群。
私は、こうしたソリッドカバーボールにおいて「意外に」直進してくれる様に好感を持つのですが、強引に曲げるようなスペックではなく、無難に使用していただきたいボールです。投げ手のリリースパワーによって、オイルエリアとドライエリア双方をどのくらいの割合で通過させるべきなのかが違いますが、投球について難しい要素が少なく、幅広いユーザーに支持されるはずです。
表記スペックが
ミディアムヘビー〜
ヘビーとなっていますが、私の投球イメージでは、もう少しミディアム寄りではないかと考えています。オイリー以上での投球に関しては高回転ボウラーもしくは低速スピードボウラーでないと動きを感じにくくなってしまい、注意が必要です。
ソリッドならではの適度なキャッチ力はあるものの、必要以上に手前から噛み過ぎる程はなくオイルのキワを真っすぐ攻めることもでき、クリーニングの利いたコンディションでは出し戻しの投球も可能です。
初代よりもピンアクションが柔らかく体感できるのは概ね評価でき、
初代のパールらしいドライゾーンからのバックエンドは強い魅力を感じていますが、使いやすさの点から今作の投球頻度の方が高くなりつつあります。
表面仕上げは今作もいつもどおりの#500
マイクロパッド→
ロイヤルコンパウンド仕上げです。
おそらく、今作の表面を扱いたくなる状況としては曲がり過ぎるという現象よりも一回りオイルキャッチを強めたい、という比率が高くなる予想をしています。その際には、
ロイヤルコンパウンドの微細な表面を落とすという作業くらいで十分な違いを出せるので必要な方はお試しください。
今回は
「65°×
3・7/
8×
53°」にてドリルレイアウトを設定しています。
この数値でも薬指の穴位置にピンを配置している点は変わりません。普段がウッドレーンを主に投げているからなのか、私は投球時に目が行く点としてレーン前半のキャッチ具合に着眼点が行きがちで、滑り過ぎることに嫌悪する傾向があります。
そうした点からもコアの傾きは強めておきたい気持ちがあるわけです。若干スピードと回転力でスピードが勝りつつある球質ですので、似た傾向のボウラーは取り入れてみてください。
比較にはシリーズ品の
初代と比べてみました。レイアウトは
ほぼ同じで比較を行いましたが、ソリッドとパールの違いはしっかりと出ており使用コンディションやフックモーションも非なるものです。
どちらもピンアクションが良く絡むのは言うまでもなく「バンダル™・ソリッド」は比較して、よりオイルのあるコンディションでも良い飛びを体感させてくれています。曲がり幅という面では極端な違いには感じませんが、曲がり形状が異なる為に使い方も当然変わってきます。
ミディアム以下で板幅を使うには
初代で、以上でオイルを感じながら投球するならば「バンダル™・ソリッド」で攻めるのは効果的で言い方を変えると、
初代で角度が浅くコーナーピンが残る状況ならば、
新作に変え「バンダル™・ソリッド」を使用して角度超過で、4番ピンが残るような状況では
初代へのボールチェンジは分かり易く実用的なアジャストでしょう。
多展開中の新素材ボールにおいても人気ボールの
バンダル™シリーズ第2弾「バンダル™・ソリッド」。ボウラーが投げやすい、ちょうど良い具合の曲がりがスコアメイクレベルの高さに繋がり、その結果として早くもプロトーナメントで実績が出るなど嬉しい報告があがっています。
初荷ボールとしてこのような成果がつき、今年もサンブリッジ取扱商品にご注目ください。それでは、また次回の
レビューでお会いしましょう!
執筆後記
新素材カバーストック搭載
+
日本限定モデル
=
使い易く機能的!優れたピンアクションを幅広いコンディションで使えるのがポイント。コントロールし易い曲がり幅と形状で、貴方をサポートしてくれるでしょう!
今回のドリルレイアウト
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