グルシリーズ(下記画像参照)に採用されている特許取得技術の「フィンガースクープテクノロジー」はドリル時におけるコアの損傷を最小限に抑えることでボールパフォーマンスを100%引き出すことのできる唯一無二の技術です。
最新作となる「グル™・シュプリーム」はラディカル独自の新開発カバーストックを搭載し、オイリーコンディションでも確実なグリップ力を発揮し、力強いアークモーションを描きます。
第56回
2015年12月22日更新
こんにちは。プロボウラーの
逸見正晃です。いよいよ2015年も残す所あと僅かとなりました。この時期は
ボウリング場にとって多くの方々が来場される重要な繁忙期です。良いきっかけとなりボウリング産業が賑やかになることを期待したいですね。
さて、今年は皆様にとってどのような一年でしたでしょうか。ボウリング団体の長年に渡る夢でありますオリンピック種目へ大きなチャンスもありましたが、惜敗という結果に落胆した方も多い一方で、プロアマともに10代や20代のフレッシュな顔ぶれが大きく台頭し、それを阻止しようとベテラン・中堅が奮起するなど明るい話題も出ているのではないでしょうか。
ボウリングは
ボウリング場が存続しないとプレーすることはできません。そして、
ボウリング場は皆様のようなボウリング愛好家を主としたお客様のご利用により成立しています。
現在も多くの
ボウリング場が閉鎖という寂しい現実を突きつけられようとしていますが、どうぞご家族やご友人をお誘いあわせいただき、お近くの
ボウリング場をコミュニティの場所としてご活用いただければと願います。
そして、今月はサンブリッジより3種の新ボールが誕生いたしました。ブランド最高位品から高い人気によるリバイバルボールまで、いずれも名の通った名品が揃いました。まずは、
ラディカルより新登場となります「グル™・シュプリーム」をご紹介させていただきます。
「グル」シリーズと言えば、
ラディカルブランド屈指のフックモーションを描く曲り系として定着した感も受けますが、今作は正に現時点で最高とも言えるフックパフォーマンスを実現したボールと言っても過言ではありません。オイルに強く曲がりの大きなボールをお探しのボウラーは見逃さないでください。
それでは、第56回
ストライクレビュー「グル™・シュプリーム」編をどうぞ!
65°
×
4
×
50°・薬指穴内にピンを配置
50°
×
5
×
40°・中指寄りピンアップセンター・バランスホール
博多スターレーン(ウッドレーン)
42フィートのクラウンコンディション
30.6
ml
カストディアンプラス
42°
前回のレビューに続く
ラディカル最新作のご紹介となります。今作「グル™・シュプリーム」は、
ラディカルブランドの名前を広める要因となった「グル」シリーズ第4作目(初代は日本未発売)として誕生いたしました。
「グル」シリーズを通して
同型の非対称コアを使用しており、特有の強力な軸移動を示す所が最大の特徴です。
「グル™・シュプリーム」は
これまでのボールを超えるべく、多くのボウラーの望みでもある「オイリーでもフックするボール」、「より幅広いストライクゾーン」を提供するべく
ラディカル独自に開発した新開発のソリッドカバーを搭載しています。
この新カバーストックと珠玉の
「オフセット・スクープテクノロジー・アシメトリックコア」によるマッチングは非常に力強く、レーン上での確実なグリップ力と捻じれ感抜群の「寄り」がとても好感触に感じています。
現在、サンブリッジには「ラディカルチーム」という同ブランドを特にテストしているプロスタッフが居ますが、そのメンバー達が満場一致で評価したのが良く理解できます。
カバーストックと
コアデザインの双方が協力して素晴らしいコンビネーションを生み出し、「転がり・オイル上での安定感・曲り・バックエンドでの食いこみ・ピンアクション」に至る項目において、太鼓判を押したいと思います。
米国のボウリング誌でも多くの曲り系と称されるボール達を超えるフックパフォーマンスと評価されている点も見逃せません。コア数値のみを見ると、他ボールの曲り系に比べるとややおとなしく感じてしまうかもしれませんが、ドリルによって変化する転がりやフレア幅からすると、やはりマスバイアスコアの中においても大変強い部類に入ります。
私の投球した感想では、曲がりをしっかり感じるようにドリルしたこともあって、投げる前では正直「噛み過ぎて投げられるのかな」と思っていましたが、抜群に強さを示すものの、オイルを使って投球したら他では物足りないようなラインでも平気でクリーンヒットする程の良さを体感いたしました。
カバーの強さでレーン上でのキャッチ力に富んでおり、コアの強さでポケットに捻じ曲がるリアクションとなりピンアクションもパワフルで申し分ありませんでした。更に、手前のオイルを感じて投球していれば、ドライエリアにやや早めに触れても垂れにくく動いてくれます。
私的には、このあたりがテスターの評価も高く挙げられているのだと推測できます。オイルに強く、転がり感も良くて曲り、ピン前での動きもしっかり見える、これが
ラディカル最新作「グル™・シュプリーム」のポイントです。
トーナメントや競技会でのプレーを行っているようなボウラーには特にお勧めで、比較的変化が少なくオイルを感じ易いサウスポーにとってもマッチするように思います。スピードが速めでボールが滑り気味の方やサイドローテーションが強めの方にも喜ばれるボールで間違いありません。
反対に、ハウスコンディションのリーグボウラーや夜間のオイルレスな環境が主なボウラーやスピードの無いボウラーにはコントロールに難儀してしまうかもしれません。曲がり系ボールの中ではストローカーでも十分な曲りを感じられますし、より強くスピンを与えるボウラーにとっても使い易く作られているのは大きなアドバンテージとなり、
あの
ブランズウィックの
ニルバーナ™同等もしくは超えるフックポテンシャルを持つボールの登場ではないでしょうか。
表面の番手は、#500
マイクロパッド→
#1500仕上げの曇った表面となっており、オイルへの強さとバックエンドでの動きをバランス良く実現した丁度良い番手に思います。
私はこのボールは是非曇った表面のままでの使用をお勧めしたく、ポリッシュにするならば他ボールを使用していただきたいくらいです。この状態に適した場面での投球がボールコンセプトに合う適合コンディションでしょう。
どうしても手前の走りが足りなく感じられた場合には、#3000
マイクロパッド〜
#4000加工でキャッチ力を軽減させてみてください。
ドリルレイアウトは、今月新発売の3球(
マスターマインド™・ブレイニアックと
Cシステム・バルサマックス・ツアーに本作。)は同様に
「65°×
4×
50°」のレイアウトを行いました。
私の目安レイアウトとも言うべき、ピンは薬指穴の中に配置し、シリーズ中過去2作品(
グル™・マスターと
グル™・マイティ)に比べて、一番早く立ち上がりを感じるようにドリルいたしました。
比較対象には、シリーズの前作品である
グル™・マスターを選び投球いたしました。
こちらは
「50°×
5×
40°」の中指寄りピンアップ位置に配置したレイアウトです。
今回のレイアウトに比べると、曲り出しを遅らせてピン側で反応を示してほしくてドリルしたのを記憶しています。
では、投げ比べてみた所「グル™・シュプリーム」はより内側からオイルゾーンを辿っても、より外側まで広がっても曲りと入射角度は優位に感じました。
グル™・マスターも決して曲りが弱い球ではなく曲り系ボールと称して間違いありませんが、
全体的にアークなイメージを持ち新作を投球してからの比較においては、やや物足りなさを感じてしまう程でした。勿論、よりタイトに投げられる強みはありますが、いかに「グル™・シュプリーム」の完成度が優れているかということではないでしょうか。
以前、
グル™・マスターをドリルしたお客様から、「過去一番曲り、スコアメイクイメージも一番良い。」と言われましたが、ボール開発は着実に進化しているものだという感覚を抱きます。
レーンに沿うボールがその時にとって一番良いボールであることは言うまでもありませんので、この投球時のケースということにはなりますが、参考にしてみられてはいかがでしょうか。一気に試合球にまで昇格した今作の出来栄えを、ぜひ皆様にも味わっていただきたいと思います。
それでは、次回のレビュー(
Cシステム・バルサマックス・ツアー)でまたお会いしましょう!
執筆後記
シリーズ第4弾の最新作は、正に最高位を冠することに恥じないボールパフォーマンスで、皆さまにパワフルなフックとピンアクションをもたらしてくれるでしょう。曲り系ボールのダークホースから一気に本命入りを果たした今作にご注目ください。
今回のドリルレイアウト
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