第68回
2016年4月27日更新
こんにちは。プロボウラーの
逸見正晃です。これがアップされる頃には全国でこのボールが注目を浴びていることかと思います。
今回ご紹介いたしますのは、曲がるボールを待ち望んでいたボウラーに重宝されることが間違いなしのスペックとなった「マスターマインド™・アーテル」です。人気シリーズの最新作は国内ボウラーの要望に強く応える為に日本限定モデルとして製造されたものになります。
現・
ブランズウィックが保有する最大級の強さを持つカバーストックと
コアを組み合わせるとどうなるのだろう... 、そんなボウラーの意図を酌んでリリースされたと言っても良いでしょう。
とことん曲りにこだわるならば、今作にどうぞご注目ください。きっとこれまで苦手としていた
コンディションでの投球を手助けしてくれるはずです。
今回も最後までお付き合いくださると幸いです。それでは、第68回
ストライクレビュー「マスターマインド™・アーテル」編をどうぞ!
55°
×
4・5
/
8
×
45°・中指・薬指穴中間位置ピンアップ
55°
×
4・5
/
8
×
45°・中指・薬指穴中間位置ピンアップ
博多スターレーン(ウッドレーン)
44フィートのクラウンコンディション
30.4
ml
カストディアンプラス
42°
ボウリングボールには、いつの時代にも最高のフックポテンシャルを持つボールだと称されるものが存在しています。日進月歩、各社がボウラーの飽くなき欲求へ応えようと開発されている中、
ブランズウィックから候補に挙がるべきボールがリリースされました。
これまでも新作が登場する度に市場へ大きな影響を与えてきた「マスターマインド」シリーズ。昨年リリースした
マスターマインド™・アインシュタインも未だに問合せもある程の完成度と人気を博しました。
抜群の安定感とバックエンドでのリアクション、そして強いピンキャリーで高い人気を得たわけですが、シリーズ最新作である今回の「マスターマインド™・アーテル」(以下、アーテル)は、その水準を大きく超えたフックパワーを身に付けてレーンに投入されます。
確実なレーンキャッチ力と別格のフックポテンシャルは他に類を見ず、ボールが空回りを起こしてしまうような
ヘビーにおいても、
ブランズウィック最強のカバー「ECS・ソリッドリアクティブ」と同シリーズの屋台骨とも言うべき
「マスターマインド・ウルトラ低・RG・コア」の最強タッグが実現いたしました。
この「ECS」カバーと言えば、
ニルバーナ™や
オーラ™・ECSにも採用されている強力な摩擦を生み出すソリッドカバーです。レーン上でのグリップ感が飛躍的に増し、結果として低いピンアクションと粘りあるボール軌道を作り出せるのが特徴です。
新素材カバー系の中でも特にボール表面へオイルを残さない所からも優れたオイル吸着力が実感でき、レーン上での安定したパフォーマンスはこうした所からも読み取ることが可能でしょう。
そして、コアには非常に早い転がりを提供する
「ウルトラ低・RG・コア」を再び採用している為、リリース直後からの素早い回転力に納得していただけるはずです。
また、
マスターマインド™・アインシュタインでは手前からの曲りを抑える為に
比重を変えたコアを採用していましたが、
この度、強さを求めて初代
「マスターマインド・コア」へと戻ったというわけです。
いわゆるオイリー向けボールですので、オイルが多量に敷かれている
レーンコンディションの方が本領発揮しますので「いつでも」使える球ではありませんが、トーナメントプレイヤーやスピードボウラーにとっては必携ボールの一つして捉えていただきたい程の自信作なのです。
私が投げてみた感覚では、投球テストした
コンディションがロングオイルの為、どうしても一般的なボールでは
ドライを探して投球せざるを得ないのですが「アーテル」はオイルを長く使って投球しても容易にリカバリーしてくれました。
まるで、投球している
コンディションが早くないのでは?と、錯覚してしまうほどに違った水準のパフォーマンスボールに仕上がっていると報告させていただきます。投球ライン全体を通して強いキャッチ力を示すので、
完全なドライエリアに当たってしまうよりもオイルを感じるラインを攻めていくほうが、良いピンアクションと曲り形状を感じることができ、手前のオイルが薄くなった
レーンコンディションではピン側でボヤけた動きとなってしまうことも体感したため使用する
コンディションをある程度限定的にし、
朝一などのフレッシュな環境での投球が一番適した使用方法ではないでしょうか。
他には、ゲーム後半でレーン右半分のオイルが剥がれピン側にオイル溜りができてしまった際に、よりインサイドラインでオイルを長く使うなどした投球アングルでも有効に働いてくれます。ボールが加速し過ぎてしまいピン側でブレーキが掛からない場合での投球が最も使い易く、レーン手前からグイグイと摩擦させて投球していくイメージなのかなと思います。
このボールはきっと各地で素晴らしい実績を挙げてくれるものと期待していますが、どのような使い方を各選手がしていくのが大いに気になる所です。
さて、今回の箱出での番手は粗く#500
マイクロパッド→
#1500仕上げとなります。
比較用に用意した初代・
ニルバーナ™と「同じ番手・レイアウト」での投球を行いましたが、共に「ECS」カバーでこの番手では強いなーの一言につきます。のちに、ピン側での動きをもう少し感じたい為に、
#4000
マイクロパッド仕上げに引き上げての投球を試してみた所、フックポイントがボール1
〜
2個分は楽にスキッドするようになりました。想像以上のキャッチ力を感じた場合にはそのような調整も検討されてみると良いでしょう。
レイアウトは「アーテル」と
ニルバーナ™共に
「55°×
4・5/
8×
45°」で中指・薬指穴の中間位置でピンアップとしています。
バランスホールは設けていません。今回はマスバイアスの影響も大きなコアですので、手前での過剰な立ち上がりは避けたかったのでこのような数値にしています。どちらかと言うと、カバーストックの強さで全体の曲りを確保したいという意図になります。
そして、気になる両者の比較では「アーテル」の方が全体のフック幅が大きく感じられました。転がりの良さは
ニルバーナ™も負けず劣らず優れていましたが、コアが傾きだしてからのスピード感は「アーテル」の方が把握し易く見た目からしても良く曲がってくれます。
私個人的には
ニルバーナ™のグイグイと食いこんで来る様は重宝していますが、コレでも滑ってしまう、もしくは曲り足らないというボウラーにとっては「アーテル」しか無いでしょう!
シリーズ中では初代・
マスターマインドに最も酷似しているように思いますが、カバーが当時とは比較にならない程に向上している為に形状は似ていても「曲がり・捻じれ・ピン飛び」の面では遥かに上回っているのが強調してお勧めしたいポイントです。
最新作「アーテル」は、正にサンブリッジが国内ボウラーと市場を考慮して開発した新しい武器になります。これまでとはまた一味違ったボールパフォーマンスを得る為にも、ぜひ皆さんのラインナップに加えてみていただければ幸いです。それでは、また次回の
レビューでお会いしましょう!
執筆後記
最強「マスターマインド」がここに誕生!オイル吸着・フック・ピンキャリーに優れた「ECS」カバーと
「超・低慣性コア」の組み合わせは、想像以上のフックポテンシャルを貴方に提供してくれます。スピード自慢のボウラーにも大変お勧めの一球です!
今回のドリルレイアウト
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