第52回
2015年11月26日更新
こんにちは。プロボウラーの
逸見正晃です。今月は投稿が遅れてしまい、申し訳ありません。急ピッチで今月のアイテムをご紹介して参りますので、どうぞお付き合いくださいませ。
2015年11月に新発売するニューボールはなんと4種類!サンブリッジが取扱しています
3ブランド全てが揃い踏みという贅沢なラインナップになっています。
その中で、まず最初に
レビューいたしますのは
DV8ブランドから発売の「ディヴィエント™」です。多くのボウラーが好むスキッド&スナップリアクションの形状を持つ今作。ゲーム中盤から後半において、非常に頼もしく思える逸品へと仕上がっています。
※ 11月23日に福岡県北九州市の桃園シティボウルにて開催の「第16回北九州オープン・桃園カッププロアマオープントーナメント」におきまして、チームサンブリッジのエース・
玉井慎一郎プロ(37期・902:
スポガ香椎)が見事この「ディヴィエント™」を使用し優勝を果たしました。
ディープインサイドアングルからでも力強い走りとメリハリのあるバックエンドリアクション、そして素晴らしいピンアクションを披露されましたことをご報告しておきます。それでは、第52回
ストライクレビュー「ディヴィエント™」編をどうぞお楽しみください!
55°
×
4・5
/
8
×
45°・ピンアップセンターレイアウト
55°
×
4・5
/
8
×
45°・ピンアップセンターレイアウト
博多スターレーン(ウッドレーン)
42フィートのクラウンコンディション
30.6
ml
カストディアンプラス
42°
メイン球を4種も同時発売(
ゼフィロス™、
サグ™・ライフ、ディヴィエント™、
リディキュラス™)という稀有な月となりました今月最初の
レビューボールとして、
DV8ブランドより最新作となる「ディヴィエント™」をご紹介いたします。
プロアマ問わず高い評価を得ているコンポジット系カバーストックを採用、高いバランス力を生み出すべく併せて開発された
コアとのマッチングは非常に優れており、コンセプト通りにゲームが進んだ中盤から最後まで安心して託せるスペックとなっています。
最近のサンブリッジ取扱ボールの中でも強調されたバックエンドリアクションを誇るボールとなっており、スピードのあまり無い方でも容易に直進させることが可能で、ピン側での気持ちの良いキレを体感していただけます。
曲り幅自体は長めの直進力を推しているようにそれほど大きくはありませんが、ドライゾーンでのグリップ感や鋭さはコンポジット系ボールの中でも秀逸だと感じています。
このボールパフォーマンスを実現している最大の要因であるカバーストックは上記のとおり「コンポジットリアクティブ」を採用しているのですが、今作にはあの
Cシステム・バルサマックスにも使用された添加剤を用いたことで、汎用性を向上させることに成功しました。
その名も「コンポジットV・ソリッド」と名付けられていますが、ソリッドカバーと思わせないほどに爽快な軌道を描きます。
レーン手前での勢いと、ドライゾーンでのリアクションを追求すべく組み合わせられたRG Min:2.562、ΔRG:0.050の
中・RG・コアで「曲がる暇」を与えることにより素晴らしいキレを得られます。
つまり、ボールが滑り過ぎないオイルコンディション(ミディアムドライ程度が最も適合。)で、尚且つクリーニングがしっかりとなされている状況での使用が本来のパフォーマンスを発揮できるボールスペックでしょう。レーン上でグリップした状態にてピンヒットした際のピンキャリーは流石、新素材のベースカバーと感じるほどで、薄めのピンアクションも抜群です!
私の投球感想では、コンポジットカバーボールの中で特に走りと鋭さを見受けられるボールに思います。キャリーダウンにはかなり影響を受ける印象がある為、先での動きが物足りないと感じられた場合には、もう一段階オイルレスな状況での使用か、オイル量が少な目のラインを攻めてみると効果的にピンキャリーしてくれます。
板目を沿わせる使い方も可能ですが、ドライゾーンまでボールを運びフックのイメージを抱いて投球する方法が素直な利用方法ではないでしょうか。オイルを長く辿り過ぎると、曲がりが出る暇なくヒットしてしまう可能性もある為、フレッシュなコンディションからキャリーダウン等の変化が顕著に起きている状況下ではマッチしにくい部分も出てきます。
最近のラインナップからすると、曲がりの
ニルバーナ™、メイン球の
マスターマインド™・アインシュタイン、走りと切れの「ディヴィエント™」という流れはとても使い勝手良く、強曲り系から走り系までラインナップの充実さが伺えます。
一般には中盤以降に使い易いミディアムドライ向けボールではありますが、高回転ボウラーやレディース・シニアボウラーなどのスピードが遅めのプレイヤーにとってはメインボールとしての利用にもぴったりな動きを持つので、適合パターンはあくまで参考にしていただけると良いでしょう。
今作の表面仕上げは#500
マイクロパッド→
ロイヤルコンパウンド仕上げを採用していますが、この番手でも適度なスキッド感は得られますので、
余程ドライで投げたいという方やキャッチ力を強めたいという方以外は、箱出からで十分に活躍してくれるはずです。
ドリルレイアウトは
「55°×
4・5/
8×
45°」で、中指・薬指の指穴上部のピンアップセンターのレイアウトを使用しました。
なお、このレイアウトは今月(2015年11月)発売の4種全て(対称コア・非対称コア有)同様にドリルしています。いわゆる直進してバックエンドリアクションを求めるレイアウトにしている為に、特にこの様なボールでは適しているようにも思いました。
比較用のボールとして、同時発売しました
ブランズウィックの
ゼフィロス™を試投しました。こちらも
同様のレイアウトを採用しており、共に対称コアになります。
さて、二球の比較にあたり踏まえておくこととしまして、
ゼフィロス™のカバーストックは
バンダル™にも採用の「コンポジットパール」を採用した日本限定発売ボールです。
より、メリハリを体感できるのは「ディヴィエント™」の方がドライゾーンでの反応の強さを感じるので推しポイントになります。ソリッドベースの「ディヴィエント™」とパールベースの
ゼフィロス™では、
後者の方がスキッドレベルは上の表記ですが、実際にはバックエンドリアクションの鋭さから手前の行き足も前者が強いように思えます。
ゼフィロス™は、やや緩めの軌道を描く為に予想よりは早く立ち上がる印象はありますが、これは
バンダル™同様のカバーの強さによるものです。
ドライ対応としての扱いにはなりますが、あまりに手前が薄めのコンディションにおいては直進力が損なわれてしまう程度の強さを持ちます。先での反応が読み易いのは
ゼフィロス™となっているので、板目を狭く投球するボールとしての使用にお勧めしたいと思います。
遅めのコンディションでの利用にも適していますが、落とし位置のオイルは最低限使ってあげることで、より一層新作ボール達は活きた使い方を行うことができるのです。
ドクロマークを用いるなど、
ブランズウィックや
ラディカルとは一味違った路線を好む
DV8ですが、この「ディヴィエント™」はボウラーの欲求に応えてくれるスペックを持つ新戦力ボールとなってくれるはずです。
是非、この新しい武器を手に入れて年末のボウリングを彩ってください。それでは、次回の
レビューでまたお会いしましょう。
執筆後記
早くも実績を挙げ、注目を得ている今作。新素材カバーの力強さをゲーム終盤まで使用したい方は要チェックです。走りと切れ、そしてヒッティングパワー。ボウラーの要求に応えるべき新たな仲間の登場です。
今回のドリルレイアウト
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